(6)NFC北地区。

1.CHIベアーズ (昨季11勝5敗→今季予想12勝4敗、地区優勝)

  • Last Season:リーグ最小失点を誇ったディフェンスの力で大躍進。反面、エースQBの予定だったレックス・グロスマンがまた壊れて、謎のQBカイル・オートンに率いられることになったオフェンスは貧弱極まりなかった。プレイオフでは、グロスマンが戻ってきたものの、自慢のディフェンスがCARのWRスティーヴ・スミスにいいようにやられあえなく敗退。
  • Best:自慢の熊ディフェンスは健在。地区レベルがアレなこともあって対戦スケジュールは緩いので、今年も守備だけで二桁勝てそうです。あとはオフェンスでどれだけ上積みがあるかだけ。といっても、こちらもこれといった新戦力はなし。あとは、昨年QBレートが60を割りながら10勝するという、才能はないけど勝ち運だけは持ってたQBカイル・オートンに代わり、年間で3試合以上出たことないというカラータイマーを持つ男QBレックス・グロスマンがどれだけウルトラな活躍できるかどうか。グロスマンもこれだけ毎年さっさと星に帰りながらもまだ期待されてるということは、それなりのものは持っているのでしょう。QBレート60で10勝できるなら、レート90出せば15勝できる計算です。まあ、そこまではともかく、手薄なレシーバ陣の中でも信頼性抜群のWRムシン・ムハマドは健在ですし、昨年のパス攻撃31位という数字はいくらか改善されてもおかしくなくない。グロスマンのカラータイマーが今年もピコンピコン言い出した場合は、バックアップにQBブライアン・グリーシーを確保。守備の強いチームにはピッタリの安定感あるベテランだけに、あるいはさっさとグリーシーにチェンジした方がレギュラシーズンでは勝ち星は稼ぎやすいかもしれません。
  • Worst:年間3試合しか出たことない虚弱王子グロスマンのバックアップに、年間5試合までしか動作保障がされてない虚弱界の王様グリーシーというのは、危機管理体制としてどうなのですか。結局、プレイオフの頃には2人とも鬼籍に入ってて、オートンが投げてたとかなっても全く驚けません。たとえ健康に過ごせたとしても、実戦経験の乏しいグロスマンが勝負所でどれほど頼りになるかは未知数。グリーシーが頼りにならないのははっきりしてますけど。地味なエースRBトーマス・ジョーンズ、派手だけど不健康な2年目RBセドリック・ベンソンによるラン攻撃もそこまで強力ではないだけに、昨季のプレイオフCAR戦のように先制パンチを喰らってしまうと、ポイント挽回できずにあっさり判定負けしそうなひ弱さも感じます。
    • 昨季、あれだけ貧弱なオフェンスでも勝ってきたチーム。戦力の変動もほとんどありませんし、スケジュールも楽となれば、崩れることは考えにくいです。ただ、プレイオフで勝つにはラッキーボーイが必要。QBグロスマン、RBベンソンがブレイクしてくれれば一番話は簡単ですが、CARからひっそり加入したCBリッキー・マニングJr&ダンテ・ウェスリーがプレイオフでCARに復讐するとかいうシナリオでも面白い。

2.DETライオンズ (昨季5勝11敗→今季予想8勝8敗)

  • Last Season:楽しみな若手を揃えて復調も期待されましたが、引き続き低迷。今年こそはと期待された'02年のドラ1QBジョーイ・ハリントンは一向に進歩する気配がなく、'03年から3年連続でドラ1を注ぎ込み続けたWR陣も全く不発、'04年のドラ1RBケヴィン・ジョーンズも大きく数字を落とすという。楽しみだったはずが苦々しいばかりのことに。再建託されたスティーヴ・マリウッチHCも何も残せずあえなくクビ。
  • Best:新HCにTBでDLコーチ務めていたロッド・マリネリ、OCにはSTLでハイパーオフェンスにより一時代築いた鬼才マイク・マーツを招聘。スーパーボウルも制したTBの守備とSTLの攻撃を知る人材(ついでにDCはBALでDBコーチやってたことある前NYJのDCドニー・ヘンダーソン)を揃ってかっぱらってくるという力技で再建に臨みます。特に、マイク・マーツの指揮するオフェンスは楽しみ。度胸のあるQBジョン・キトナを新エースに迎え、WRにはハズレ気味とはいえ一応ドラ1のロイ・ウィリアムズ、マイク・ウィリアムズに、マーツの部下だったSTL時代だけは派手に活躍していたアザヒア・ハキーム、元スピードスターのコーリー・ブラッドフォード、元STLのマイク・ファリー、更に隠し玉としてWRとしての実績はゼロだけどスピード抜群のデンジャラスリターナ、エディ・ドラモンドという。STLのトリー・ホルト&アイザック・ブルースのデュオとは比較になりませんが、ひょっとしたらマーツの指揮によって大爆発してもおかしくない不発弾はいっぱい揃ってます。キャッチの上手いマーカス・ポラードと、ブロックの強いダン・キャンベルと揃うTEも充実。RBは非力ですが「ランが出ないならパスだけ投げりゃいい」と考えるマーツのオフェンスでは致命的な問題にはなりません。ディフェンスは昨季もリーグ20位と元々そう悪くないですし、ダークホースになってもおかしくないこともない。
  • Worst:ガッツはあるけど精密さとは無縁なQBジョン・キトナが、マーツのオフェンスに適した人材かというとかなり疑わしいところ。微妙な人材揃いだった今オフのQB市場ではありましたが、まだドリュー・ブリーズなりブライアン・グリーシーなりの方が合っていたのでは。WRもこれといって頼りになる選手がおらず、これで華麗な空中戦をやろうとなると、無理が生じて片っ端から撃墜され、マーツ心臓発作でダウンという危険もあります。ディフェンスはTB系のマリネリということでカバー2なんでしょうが、頼りになるのがCBドレ・ブライくらいしかいない手薄なDB陣ではどこまで機能しますか。
    • ひょっとして爆発したら面白そうな存在だけど、まあ、たぶん今年も不発であろうDET。ただ、QBがキトナに変わって、ハリントンの頃よりはまだ期待感あります。ここもスケジュールは緩めなので、昨季1勝5敗と散々だった同地区対決でもうちょっと星を稼げれば5割くらいは狙えるんじゃないかと思います。

3.MINヴァイキングス (昨季9勝7敗→今季予想6勝10敗)

  • Last Season:WRランディ・モスに三行半を突きつけられたQBダンテ・カルペッパさんがショックで鬱になってしまって大低迷、2勝5敗と致命的な出遅れを喫する。カルペッパさんを鉄格子のついた病院に送り込み、QBを大ベテランのブラッド・ジョンソンにしてからは7勝2敗と立ち直ったものの時既に遅し。
  • Best:問題児のモスに続いて、心に病を抱えていたカルペッパさんも、アル中のWRコレン・ロビンソンも、素人ダフ屋のマイク・タイスHCも、根こそぎ厄介払い。温厚なQBブラッド・ジョンソンを中心に、安定感とまとまりという、MINらしからぬ味で今年は勝負。安定のためには最も重要なOLに、大金叩いてGスティーヴ・ハッチンソンを引っこ抜いたのは良い補強です。FBトニー・リチャードソン、Kライアン・ロングウェルの獲得というのも安定志向。あとはPHIでもタレント不足なレシーバ陣でも細かい投げ分けオフェンスで何とかしていたブラッド・チルドレス新HCの手腕に期待。タレントは揃ってるように見えるのに、昨季もリーグ21位とあいかわらずパッとしなかったディフェンスは、ここもまたカバー2の導入するらしいです。どこもかしこも困ったらカバー2。CBアントワン・ウィンフィールド、フレッド・スムート、Sダレン・シャーパーとDBに人材は揃ってますので、ドラ1揃いのDLが奮起すればTO連発というのも期待できます。
  • Worst:オフェンスのタレント不足は明らか。38歳のQBジョンソンに今年も丸々先発任せるというのがそもそも驚きですが、昨季も数字残してますからそれはいいとしましょう。しかし、WR、RBはトラヴィス・テイラーとチェスター・テイラーという元BALの両テイラーがエース格と、貧弱にもほどがあります。特に、RBチェスター・テイラーは、ジャマール・ルイスの2番手として活躍していたのを先発待遇で迎えるという、例のこれまで散々書いてきた私の嫌いなやつ。せっかくOL、FBを強化したのに、肝心なRBをケチって2番手で済ませようとしては台無しです。
    • 昨季9勝もしてるわけですから、一から再建というのは適当ではないのですが、かといってプレイオフどうこうという期待感もいまいちないMIN。なにせ、スキルポジションの華のなさが尋常でなく、どうやって勝ちたいのかが分かりません(Week2ではKロングウェルのパスで勝ったらしいです)。

4.GBパッカーズ (昨季4勝12敗→今季予想4勝12敗)

  • Last Season:怪我人があいつぎ悪夢のシーズンに。頼れるRBもWRもいなくなったQBブレット・ファーヴは自分がやらなきゃという思いが空回り、無理投げからINTを連発して自滅。ディフェンスもビッグプレイ能力に欠け、TOレシオ-24は最下位タイ。
  • Best:オフェンスの希望は、エースQBアーマン・グリーンの復活。もうそれ以外はほとんど見当たりません。ベストならランパス合わせて2000y稼げる万能型RBだけに、期待通り活躍してくれればQBファーヴの負担をぐっと減らすことができ、昨季のようなINT祭りはなくなるはずです。あとは、今年で最後のシーズンと、去年も言ってましたけど今年こそいよいよ最後らしいQBファーヴの有終の美を飾ろうとチームが団結できれば。PITだって去年は「ベティスの最後を飾ろう」といってスーパーボウル制覇までいったのですから。ファーヴのためにと死ぬ気で頑張れば、ランボー・リープでそのまま空飛ぶくらいはできるはずです。
     精神論頼みのオフェンスに比べ、ディフェンスの方がまだ楽しみありそう。評価高いドラ1LB AJ・ホークに、元天才CBチャールズ・ウッドソン、スーパーボウルで負傷した後の穴を思いっきりやられたことで結果的に存在の大きさをアピールしたSマーカンド・マヌエル、DTライアン・ピケットと補強。OAKで腐ってたウッドソンがやる気出してかつての輝きを取り戻せば、CBアル・ハリスとのコンビはリーグ屈指。
  • Worst:ジェヴォン・ウォーカーを引き止められず今年もWRドナルド・ドライヴァー頼みのWR、両Gが流出した昨季に続いてCマイク・フラナガンも失ったOL、ランボーフィールドを知り尽くしたライアン・ロングウェルのいないキッキング、そしてサムコン・ガドーもナジェ・ダヴェンポートも放出してデプス激薄のRB。もし、RBグリーンがケガから復活できないようだと、昨季以上の惨劇が待ってるおそれもあります。そもそも、昨季のグリーンはケガするまでも全く走れておらず、たとえ体調が万全に戻っても、弱体化が激しいこのOLではかつての活躍は望めない可能性高いです。
    • 今年も厳しい冬を迎えそうなGB。選手が抜ける一方のオフェンスよりも新戦力頼みのディフェンスに期待するしかない。ウッドソンなど今さらという感じで、できれば期待したくはないのですけど。空回りするファーヴの姿はもう見たくないのですが。

1.CHIベアーズ(12-4)
2.DETライオンズ(8-8)
3.MINヴァイキングス(6-10)
4.GBパッカーズ(4-12)