スーパーボウル予想。

 いつもはプレビュウ書いたりしてるんですが、今年は簡単に。

 予想としては、一番ベタなのは3点差でのIND勝利。もちろん最後はアダム・ヴィナティエリのサヨナラ決勝FGです。さすがにもうしつこい気もしますが。
 昨年のようにビッグプレイ一発で均衡破れるパターンというのは、どうでしょう。両HCとも守備畑出身でトリックプレイなど好むタイプではないですが、QBはどちらも一発あります。一発あるというか一発しかないグロスマンのCHIとしては、有望な展開か。INDとしては一発頼みよりも厚みで押していくべき。
 大差がついてしまうパターン。今年のプレイオフはここまで接戦続きで盛り上がりましたが、最後で台無しというのもある話。大差つく展開となれば、攻撃のINDかというと必ずしもそんなことなく、むしろCHIもある気がします。攻め合いなら攻撃型、接戦なら守備型が有利とか言われますが、過去のSBでも意外と守のチームの方が圧勝したりするものですから。OAKをこっぱみじんに粉砕したTBとか、あまりの圧勝ぶりで見てて途中で寝てしまったBALとか。これはCHIの奪TO力の高い守備と、デヴィン・ヘスターの破壊力溢れるリターンがどこまで威力を発揮できるか次第。INDは、このプレイオフ絶好調のラン守備がCHIのラン攻撃を完封して、あとはグロスマンのやけ投げさえ気をつけておけば、普通に圧勝してしまう危険性も。圧勝しないでください。
 INDで、カギ握るのはTEダラス・クラークですかね。プレイオフに入ってQBマニングの調子が上がってこない中で、それでも困った時に何とかしてたのがクラーク。見た目がヒゲの割りにスピードがあり、ビッグプレイ能力が高いので、一発で局面を打開してきます。この厄介なヒゲを、無類の守備範囲を誇るLBアーラッカが封じることができるかどうかが勝負を左右しそうな気がします。あ、ランを抑えるとかは前提条件です。ジョセフ・アダイあたりに走られるてるようでは、守備のチームとは言えませんから。IND守備でのカギは、DB陣のタックルのキレ。果敢さを通り越してる凶暴な突進をこの大舞台でも見せられるか。ニック・ハーパーはケガで微妙らしいですが。ベセアという新人Sの動きがよく目につくので注目してます。
 CHIでは、上述のヘスターと、あとはKのロビー・グールド、Pブラッド・メイナード、まあ、要するにスペシャルチーム全般。トータルの戦力では劣勢なだけに、スペシャルチームでのつまらないミス一つが致命傷になりえます。そういう試合の崩し方だけはしないようにしてください。ガックリしますから。あとはもちろんグロスマン。ガックリさせるなよ。

AFC決勝。

  • NE@IND

「いいか、ブリッジではときどき、どんなに勝ち目が薄くとも勝つチャンスはそれしかないのだから、希望どおりにカードが配られるという仮定にもとづいてプレイしなければならない。幸運に恵まれれば、勝つ。そうでなければ、そうだ、どうせ負けるはずだったんだから、少なくとも成功の可能性に挑戦したことにはなる」

「オールド・ディック」L・A・モース


 クロスゲーム・ショウのトリを飾ったのは、18点差を引っくり返す大逆転劇。しかし、心臓が痛くなるような劇的な試合ではありましたが、終わった時に「まさかの」という印象はありませんでした。かのNEが、あのINDに逆転負けしたにも関わらず。その逆ならともかく。それというのも、NEに配られていた手札では、そもそも限りなく勝ち目が薄かったのですから。前半は、まんまと希望通りのカードを引き当ててリードを奪うことができたのですが。
 逆に言うと、唯一切ってはいけないをカード切ってしまったのが、前半のIND。ペイトン・マニングは、あくまでも「INDはマニングのチーム」であろうとしたのか、WRマーヴィン・ハリソン、レジー・ウェインとのホットラインでの勝負に出たのがド裏目。魔人と化しているアサンテ・サミュエル、更にこちらも素晴らしい出来だった逆サイドのエリス・ホブスというNEのCBとの局地戦となってしまい、サミュエルにはINTリターンTDまで奪われるという大惨敗を喫することに。
 それが、後半。リターンTD喰らった後、失意のズンドコに落ち込んでたマニングがハーフタイム中に過ちに気づいたのか、前半は消え気味だったRB、TEを前面に押し出して、厚みを活かした総力戦に切り替えてきました。そして、その気づきは、幸いにも遅過ぎることはなかった。総力戦となると、NE守備はもういけません。SD戦もそうでしたが、厚みをこらえられるだけの足腰が今のNEディフェンスには、全くない。RB、TEに対しては、S、LBが対応することになるわけですが、ロドニー・ハリソンが間に合わず手薄なままだったSがやられるのはともかく、NEの王朝時代を支えたテディ・ブルスキ、マイク・ブレイベルの黄金LBコンビがなす術なく押し込まれていたのはショッキングでした。これまでは、ここぞというところでこのLBコンビが会心の一撃を繰り出すことで、勝負をものにしてきたのですが。2人がベンチに並んで呆然と荒い息をついてる姿は、見てて悲しくなりました。解説の高野元秀氏が、盛んにNEのアウェイ連戦による疲労というのを心配してましたが、30代の2人にはことさらキツかったのかもしれません。
 ビル・ベリチックとトム・ブレイディは、それでも最後まで可能性に挑戦しましたが、WRリシェ・コールドウェルの瞳孔開きすぎ落球(ビックリしたいのはこっちだっての)などもあって、SD戦に続いての幸運には恵まれなかったようです。そもそも、相手にどんなカードが来ようとも、あらゆる可能性をカウンティングした上で、それを全て封じることで勝ってきたのがNE。そこには、幸運の入る余地などなかったはずですから、この敗北を不運と嘆くこともないでしょう。
 INDは、ついに、NE>>(超えられない壁)>>IND、という図式を乗り越えました。まあ、NEの方が壁から落ちてきたという面もありますが、最後の3連続ランによるTDなど見ると、最後の一歩はINDが自分の力で乗り越えたと言うべきなんでしょう。今までなら間違いなく3回中2回以上はパス投げて、きっと止められてたと思いますもの。

  • 追記。

 最後、ブレイディの投げたパスがINTされジ・エンドとなった時、福原アナが「あっけない結末」と言ったことに対して、高野氏が「そんな風に言うべきではない」と強く反論してました。ブレイディは、最後まで王者の矜持をもって勝利の可能性のためにプレイしていた。その誇りには敬意を払うべきだと。この日の福原アナは、初っ端から夜に放送するNFC決勝の結果を連呼したり、まだどう試合転ぶか分からないというのに「IND勝てばアフリカ系アメリカ人HC同士のスーパーボウル」なんてことを何度も言ったり、いささかデリカシに欠ける実況で残念でした。史上初か知りませんが、そんなこと言ってる場合じゃないだろうと。まあ、NFCの結果は、どっちにしろ放送画面からバレるだろうと私は諦めてた(実際、スタジアムのスコアボードで結果映されてたりした)ので別にいいですけど。ただ、ゴルフ中継延長でイライラしてた人には追い討ちになったかもしれません。何をプレイオフまでやってるか。

ディヴィジョナルプレイオフその2。

  • SEA@CHI

 クロスゲームの見本市と化してる感のあるディヴィジョナルプレイオフ。均衡化も極まれりという感じですが。この試合は、お互いが必死に流れを掴もうと手を伸ばすも、シカゴの寒さにかじかんで掴みきれずOTまでもつれ合うという展開。
 シカゴ守備は、スロースタータというかしり上がりに調子出してくるような印象。レギュラシーズン中にも同じようなこと感じたので、これはチームとしての傾向なんでしょうか。オフェンスでスロースタータというのはよくありますけど。消耗して出足鈍くなることが多いディフェンスでは珍しい。若手が多いので、試合の入り方に課題がある反面、スタミナが豊富なので消耗戦になるとパワーで圧倒できるとかそういうことなのかも。
 注目のグロスマンの出来は。うーん。280y投げてるんですが、そのわりに微妙な印象。なにかイライ・マニングに近いものを感じるんですが。デジタル世代。プレイコールが当たりの時は、素晴らしいパス投げて才気を感じさせるんですけど、プレイが崩れた時に神経の行き届いてないスロウというか、心無いパスを投げてギョッとさせるようなところあります。そのパスが、守ってる方がギョッとするくらいにストライクでINTされることもあれば、捕る方がギョッとするような狭いところに通ったりもするという。このQBでスーパーボウルまで行きますかねえ。あまり、イメージ湧かないんですけど。
 SEAは、しぶとく戦って、一度は勝ちそうな流れを持ってきたかに見えたんですが。オフェンスは、最後はしり上がりCHI守備にビタッと止められてしまいましたが、24点取ったのだから上等です。RBアレキザンダも100y走りましたし。ディフェンスも悪くないように見えましたが、CBトゥルファント離脱で手薄になってたCBがしばしば一発を被弾したのが痛かった。新人ジェニングスとバビノーですからねえ。思えば、昨年のSBでも先発Sが壊れて、一発で炎上したりしてました。

  • NE@SD

 この試合は何と言ったらいいか。これまた3点差のクロスゲームだったわけですが、手に汗握る好ゲームというより、開いた口を塞ぐヒマがないドタバタ劇といった風情。NEのプレイの出来は最低といっていいくらいでしたが、SDは出来以外の部分が最悪でした。地雷踏みまくり。NEのチャンスの芽が完全に潰れたと思ったら、片っ端からSDが水をやって芽を復活させてあげてるんですから。
 地雷踏まなかったら、この前の対戦時のように40-15ぐらいでSDが勝てたはず。それくらいの力関係だったように見えました。NE守備は、頼みの知性派LB陣が立ち上がりからSDのパワーに圧倒されっぱなしで、トムリンソンはおろか、控えRBのターナーすら止められず。私はこの前のIND@BALの試合後のインタビュウで結果知ってしまってたのですが、これでどうやってNE勝ったんだろうと不思議に思いながら見てました。それぐらい圧倒的なやられよう。頑張ってたのは、あいかわらずキレキレのアサンテ・サミュエルくらい。あと、一部で注目のチャド・スコットは初っ端にゲイツ相手に良いタックル決めてました。それっきりでしたけど。
 攻撃でも、ブレイディはSDの3-4守備をなかなか読み切れず、3INT喫する大苦戦。ランを真面目に出すことは早々に諦めて、ディロンでもマローニでもなくケヴィン・フォーク先生を使い続けたのは、恐るべしベリチックという感じでしたが、単なる苦し紛れとも言えないことはない。
 で、やってしまったSD。何なのでしょう、この負けは。非常に受け入れ難いものがあるんではないかと思います。ほとんど自業自得ではあるんですけど。戦前に不安点として挙げた、リヴァースのこれまでの過保護ぶりとか、ショッテンハイマーの保守性というのも、敗因とまではいえなかったと思います。リヴァースも、誉めるような出来ではなかったですが、派手にぶっ壊れることもなく。通したパスの半分以上がゲイツとトムリンソンというのも別にいつものことですし、良くも悪くも目立ってませんでした。ショッテンハイマーも、4th&11からギャンブルとか、やけに積極的な采配もしてました。11y残しでのGoは、積極的というよりただのキチガイ沙汰な気もしましたけど。ギャンブルはともかく、あれだけ地上戦で圧倒してたのですから、もっと保守的にいってもいいくらいだったと思います。しかし、だとすると結局のところ、ミスで負けただけとしか言うほかないんでしょうか。あるいはショッテンハイマーは本格的に呪われてるとか。うーん。
 一つ。これは前から気になってたことなのですが、近年、アントニオ・ゲイツ、トニ・ゴンサーレス、ジェレミ・ショッキー、トッド・ヒープ、ジェイソン・ウィテン、アルジ・クランプラなどなど、WR並にパスキャッチで活躍するTEというのが流行してるわけですけど、にも関わらず、そうしたTEをメインターゲットとして活用してるチームがスーパーボウルに進めてないということ。いずれもかなりの強豪チームですし、ヒープのBAL、ショッキーのNYGなどは加入する1,2年前にSB進出してるチームだったことを考えると、ただの偶然ではないんではないかと。偶然ではないとしたら、何なのかといいますと。
 まず、TEへのパスというのは、LBに対してはスピードで、DBに対してはサイズでミスマッチが生じるので、ローリスクハイリターンが狙えるというので流行ってるわけです。ただ、プレイオフになると、当然、相手は守備の強いチームばかり。多少のミスマッチはなんとかしてしまう戦術、タレントを備えてる。そうなると、万能に見えたTEが、WRほどのスピードもないし、RBほどのパワー、走力もないという、どっちつかずな存在に成り下がってしまい、オフェンスが手詰まりになってしまう、と。ちなみに、この試合のゲイツは6キャッチ61y。それなりでしかないです。
 もう一つ考えられるのは。TEへのパスというのは、投げるQBからしたら難度は低いわけです。的はデカいし、多少ブレても上述のミスマッチで何とかしてもらえますから。そういう難度の低いパスをメインに頼ることで、QBの判断力が徐々に鈍化していき、いざプレイオフで厳しい状況に陥り、上述のようにTEも頼りにできないという時に対応できなくなる、とか。
 まあ、一つの仮説です。特に二つ目のは、そもそものQBの資質(デカい人にしか投げられないマイケル・ヴィック、カイル・ボウラーみたいな)とかプレイコールの問題も大きい気もするのでかなり怪しいのですが。こう考えると、結局、最後までゲイツ頼みのパス攻撃だったSDに対して、NEも今季WRがごっそり抜けたことで繰り上がり的にTEベン・ワトソンがメインターゲットとなってたのが、プレイオフに入ってWRジャバ・ギャフニィがラッキーボーイ的に浮上してきたのが大きかったとか、もっともらしいことも言えるということです。

ディヴィジョナルプレイオフ。

  • IND@BAL

 紙一重を完璧な集中力で凌ぎまくるディフェンスと、完璧な集中力で仕事を果たすキッカーたち。ギリギリの均衡が崩れそうで崩れない、なんとも重厚な試合。これぞプレイオフです。実は、前日に試合結果を知ってしまってて(Yahooでサッカーの移籍情報チェックしようと思ったら…、痛恨でした)、ガックリしながら見始めたのですが。ギリギリのテンション保たれた試合に引き込まれて、そんなガックリ感もどこか行きました。まあ、試合後のインタビュウで見てはいけないものを見てしまって、またもの凄いガックリしたんですけど。次のラウンドは○○が待ってるとか何とか。あああ。
 しかし、なぜINDは、ペイトン・マニングは勝てたのか。ワイルドカードの時にもちらっと書きましたが、マニングが以前のようにオーディブルを濫用しなったのが大きいんではないかという気がします。この試合でもそれなりに使ってはいますけど、かつてのようなヒステリックさ(ちょっとでも相手守備に気に入らないところあるとプレイ変えようとするような)というのはだいぶ薄れてました。これまでのマニング独裁体制下では、マニング個人の頭脳vs相手チームという構図になって、最終的にビル・ベリチックやディック・ルボウといった鬼才に、マニングの頭がパンクさせられてドボンという負け方を繰り返してきたわけですが。この試合では、チームvsチームという、当たり前の戦いをしていたように見えました。序盤に、早いスナップからポンポンプレイ始めたりしたのも、チームとしての作戦でしょうし。
 で、チームvsチームとなると、独裁体制下ほどのキラメキによる爆発というのは生まれにくくなりますが、その代わりにハリソン、ウェインというリーグ屈指の両翼に、アダイ、ローズとそれなりのRB2人、その全てが抑えられても飛び出てくるヒゲのTE、そして全てを支える堅実なOLという、オフェンス全てのポジションにタレントを揃える「厚み」が活きてきます。BALとしても非常に厚みのある守備でよく対抗したのですけど。
 そして、ここにきて俄然輝きを増してきた、クラッチャー、アダム・ヴィナティエリの存在。今さらながら、なんでNEは手放しましたか。プレッシャかかるプレイオフ、しかもアウェイにおいても、当然のように50y前後のFGを決めるこの男。この勝負の鬼が控えてるからこそ、マニングもヒステリィを収めたんでしょう。これで待ってるのがヴァンダージャットだったら、勝負託す気になれませんもの。

  • PHI@NO

 総合力でじわじわロープに詰めようとするNOに、ビッグパンチ一発でリング中央まで押し返すPHIという、↑の試合とは全く違ったバランスの取れ方をしたシーソーゲーム。これも見応えありました。NOのDB陣のうっかりぶりはちょっとどうかと思いましたけど。あんな振りのデカいパンチ、そんなに何発も貰ってはいけません。
 しかし、レジー・ブッシュの華のありようは異常。立ち上がりに、ハンパじゃないハードヒット喰らってグッタリした時は、これはプレイオフの洗礼浴びるかと思ったんですが。あのヒザがどうにかなりそうなカットバックのキレは凄い。実際は、デュース・マカリスターの方が重要な役割果たしてたとは思うんですけど。いかんせんマカリスターは華がない。
 PHIは、これが連勝の勢いというやつなのか、なかなかしぶといところ見せましたがあと一歩届かず。頼みの大黒柱ウエストブルックの不振が響きましたか。一度、65yTDというのはありましたけど、それ以外では立ち上がりから徹底マーク受けてランは封殺、得意のパスレシーヴでもらしからぬ落球連発。生命線のジャブが機能しなかったせいで、コンビネーションも何もなくなって、ビッグパンチ一発頼みとなってしまったという印象です。意外とそれが当たって善戦になったりしたわけですが。ただ、これだとどうしても時間支配などは出来ませんから。接戦ではあったものの、じわじわ消耗していって最後勝ちきれずという結果は、必然だった気もします。

ワイルドカード。

  • KC8-23IND

 INDのKアダム・ヴィナティエリが48yFGをあっさり決め、KCのKローレンス・タインズが23yFGをさっくり外した時点で試合終了。2Q残り9分というところで勝負決まってしまいました。早かった。
 その後は、勝負がどうなるかに興味が持てなくなった(IND勝ちに決まってる)ので、この先に向けてINDがどういう勝ち方をするかという視点で、ボンヤリ見てましたが。悪くない勝ち方だったんじゃないでしょうか。ランをうまく使ってこつこつ時間を流して、セイフティリードを守る手堅い試合運び。今までなら、ドカーンドカーンとパス投げて、45-20とかそういうバカスコアになってたんですけど。さすがに学習したんでしょうか。QBマニングはいつもに比べるとオーディブルも控えめで大人しい印象でしたが、次はノイズ渦巻く敵地ということを考えると、オーディブルに頼らずにプレイ進めてたのは悪くないです。課題のラン守備もこの日はRBラリー・ジョンソンを完封。そういえばDTマクファーランドっていつの間にかINDに移籍してきてたんですね。不勉強にて知らなかったんでちょっと驚いた。
 一方のKC。FG失敗はアレとして、工夫なさすぎ。相手はラン守備が弱いらしい、じゃあランで攻めようバンザーイ、みたいな。いくらなんでもミエミエです。INDだって自分たちのラン守備狙われるのは分かってるんですから、そりゃ全力で止めにきます。ランランで3rd&ロング残して、今度はミエミエのパス、しかも落球、とか。見ててガックリしました。

  • DAL20-21SEA

 色んなことが起きた試合でしたが…、最後の最後の大惨劇で全てが吹っ飛びました。まさかの階段落ちでシンデレラから銀ちゃんとなったQBトニー・ロモ。そもそもFG蹴れる地点までオフェンス指揮してボール運んできたのもロモなわけですから、なんとも残酷なことです。あれがマイク・ヴァンダージャットが蹴って外したとかだったなら、手を打って大爆笑したところなんですけど。あの野郎、さっさとクビになってしまいました。
 しかし、最後がアレだったので「DALが勝てた試合を落とした」という言われ方してますが。個の能力でいえばDALが上回っていたと思いますけど、試合全体を通して勝利に値するプレイをしていたのはSEAの方だった気がします。DALはつまらない反則やらミスが多かったです。あと、必要最小限にして最善の動きでDALの厳しいパスラッシュを凌いでみせるQBハセルベックには、(忘れかけてましたが)さすがにSBまで行っただけのことはあるという貫禄を感じました。QBロモはプレイオフの雰囲気に最初から浮ついてた感じでしたから余計に。

  • NYJ16-37NE

 師弟対決となった試合は、知性派チーム同士のねじり合い。見応えありました。特に前半は、一時リードを奪うなどNYJの善戦が光りました。ただ、後半になると知性の深さというか絶対量の差でNEがじわじわ圧倒して、気づいたら21点差の大差つけてるという容赦のなさ。こういう知性vs知性の勝負ならNEは絶対負けません。
 CBアサンテ・サミュエルはこの日もINTリターンTD決めるなど絶好調。調子乗ってます。次はTEゲイツがいますので、Sの手薄さは気になります。ロドニー・ハリソンはどうも状態良くないようですし。ひょっとしたら、久しぶりにチャド・スコットのスットコぶりとか見られるかもしれません。あと、最後にテスタヴァーディが出てきてビックラしました。まだいたのか。

  • NYG20-23PHI

 接戦でしたが、丁寧に小技を繋げていったPHIが、最後は計算通りの鼻差勝ち。まあ、1st&30から1stダウン奪われて、そのまま同点TDまで持っていかれたのは計算外だったでしょうけど。これといった大駒はないけど、小駒がきっちり役割果たして、じわじわ優勢築いていくというのは、PHIらしい勝ち方だったんじゃないでしょか。さらに上を目指すには、QBガルシアによるパス攻撃は行き詰まり感が漂ってますので、RBウエストブルックの大車輪の活躍と、プラスアルファとしてスペシャルチームでのビッグプレイあたりも必要か。それもウエストブルックなわけですが。あるいは、昔よく見たアンディ・リード大好きの奇策とか。ほとんど外れますけど。
 NYGは、立ち上がり、なかなか練られたオフェンスであっさり先制TD奪った時には「これはいい準備してきたな」と感心したのですが。どうやら頑張って準備しすぎたようで、すぐに頭からプスプス煙出始めて、あっという間に反則連発で自ら崩れていったのには脱力しました。私の感心を返せ。今季限りのRBバーバー、ヘルメット脱げながら突進するTEショッキーなどは、気合見せてくれましたが、現代っ子QBマニング弟はどうにも気概というか、執念に欠けます。あっさりしてる分、1st&30などという絶望的状況から、何事もなかったかのようにWRバレス3連発でサクッと同点TDを取ったりもするんですが。デジタル世代か。

プレイオフハジマル。ノツヅキ。

 NFCの分です。
 

1.CHIベアーズ 2.NOセインツ 3.PHIイーグルス 4.SEAシーホークス 5.DALカウボーイズ 6.NYジャイアン

 半分が一桁勝利という、なんだかガックリくる面子になってしまったNFC。シーズン前予想との比較では、AFCと同じ4つ的中。CAR、TB、WASあたりの見切りは良かったのですが、本命にしたATLが沈んではどうしようもない。QBヴィックがバカみたいに走りまくってた前半は調子良かったんですけど。ヴィックは最後までバカで1000yラッシュ達成しましたが、チームは後半急失速。あえなくカバ面はクビ。今年も期待を裏切られたARIは、後半は4勝4敗と持ち直してるので、来年もしょうこりなく期待してしまいそう。QBライナートのことはかなり買ってますし。今季のQBレート74.0は、攻撃新人王に輝いたTENのQBヤングよりも上の数字ですから。あのえびせんOLで大したものです。
 で、プレイオフ。数字的に頭一つ抜けてるCHIですが、序盤は高値をつけていたQBグロスマンの株価が大暴落した後、底値のまま戻ってこないのがなんとも心もとない。最終戦にいたっては、12回投げて成功2回、3INTでQBレート0。ゼロて。よりハイレベルな駆け引きが繰り広げられるプレイオフでは、QBの重要性が非常に高くなるだけに、この調子ではとてもじゃないですが本命の印は打ち切れません。かといって、ぶっつけでQBグリーシーにチェンジするというのもねえ。トップシードなのにそんな博打は打てないでしょう。だいたいグリーシーなら勝てるかというと、そうとも思えませんし。まあ、リーグトップの44TakeAwayを誇る看板のディフェンス、5リターンTDと大暴れのデヴィン・ヘスター擁するスペシャルチームは文句なく強力で、オフェンス抜きでも全然点取れそうなくらいですので。QBグロスマンが変な色気出さずに大人しくしてれば勝てます。
 街の復興と歩調を合わせるように躍進遂げたNO。QBブリーズの堅実な司令塔ぶりと、RBマカリスタとRBブッシュのワンツーパンチ、そして謎の新人WRコルストンという飛び道具が合わさって、オフェンスはなんとリーグ1位。不安だったディフェンスも、プレビュウで「廃品回収」と酷評した寄せ集めのLB陣がなかなか頑張ってました。失礼。どうにもフラフラしながらプレイオフに辿り着いたチームが多いNFCの中では、最もしっかりした足取りでここまでやってきた感があります。初戦をニューオリンズで戦えるのも大きいですし、そこで勢いに乗れば一気に行ってしまう気がします。というか、このグチャグチャNFCでは、ここが勝ち上がる以外に綺麗なストーリーというのは思いつきません。
 PHIは終盤5連勝で混戦のNFC東地区を制覇。QBマクナブ、DEカースという攻守の二枚看板亡き後、よく立て直してきました。しかし、まさか今さらQBジェフ・ガルシアがプレイオフ出て来るとは。SF時代のガルシアはプレイオフでは用無しのQBでしたが、今回は「まさかの復活劇」という流れに乗れば、ひょっとする可能性もなくはない。いや、やっぱりないかな。さすがにちょっと地味過ぎる。
 SEAはヘロヘロになりながら、9勝7敗で地区優勝。怪我など不運な面もありましたが、それ以上にSB敗退でチームのモラルがなんとなく低下してしまったのが衰退の要因に見えます。勢いも全く感じられませんし、まあ、ないでしょうここは。
 DAL、NYGも山あり谷ありのシーズン。DALは、ブレッドソーを見切ってQBロモにスイッチしたのが大当たりで、シーズン中盤から勢い出てきました。ロモにはシンデレラボーイとしてチームをSBまで導く力も充分ありそう。「ブレッドソーの跡継ぎ」というのも縁起いいですし。ただ、チームとしてのまとまりというより個の能力の高さで何とかしてるような印象で、モロさを含んでるチームなので、あまりシンデレラにはふさわしくない気もします。T.Oの存在で偏見抱いてるのかもしれないですが。NYGは後半戦2勝6敗というボロボロぶり。どの面下げて、プレイオフなんかに出てきたんだという感じですが。今季で引退するRBバーバーのためにということでチームまとまるかと思ったら、全くそんなこともないのが悲しいです。QBマニング弟もあいかわらず不安定なまま成長してません。爆発力は秘めてるチームではありますが、今年もいつまでも秘めたままで、最終的には失火で自分のところの火薬庫に引火してドカーンと派手に散って終わるんだろうと思います。

 予想まとめると。◎NO…35%、○CHI…30%、△DAL…20%、×PHI…10%、無印SEA、NYG…5%。こんな感じですか。まさかNOを本命にすることになろうとは、シーズン前は全く予想だにしてなかったですが。こうやって本命にした途端に負けたりしそうな予感もないではない。
 SB予想は、BAL−NO。ここまで来るとNO一色の空気になってそう。BALもあまり空気読まないチームですが、NOが来たらここはさすがに譲りますか。NO優勝。

プレイオフハジマル。

 今年もよろしくお願いします。またざっくり2ヶ月放ったらかしでよろしくも何もないですが。年も明けていよいよプレイオフ、というところで、しかしショッキングなニュースが。ダレント・ウィリアムズ選手の冥福を祈ります。 


 プレイオフAFCの面子は。

1.SDチャージャーズ 2.BALレイヴンズ 3.INDコルツ 4.NEペイトリオッツ 5.NYジェッツ 6.KCチーフス

 サプライズはNYJですか。攻撃25位、守備20位、カムバック賞のQBチャド・ペニントンも17TD16INTと際立った数字を残したわけではなく、ユルユルのスケジュールにおおいに助けられた感は否めませんが。それでもカーティス・マーティン抜きで二桁勝ったのはたいしたものです。逆サプライズは、PITとDENという、私の予想が外れた2チーム。前王者PITは懸念されたロスリスバーガーのネタQB化がまんまと現実のものとなり、一気にチームが不安定に。DENは前半は守備の頑張りで踏ん張ってたものの、いつまで待っても復調しないジェイク・プラマーの果てしないドン底ぶりに沈没。最後はプラマー諦めて、新人QBカトラーに望み託しましたが、2勝3敗と負け越して星一つ届かず終戦
 SBに向けては。10連勝フィニッシュでホームアドバンテージ獲ったSDについては、QBリヴァースは環境に恵まれすぎている、PO入って厳しい状況に立たされたら危ない、ということを開幕時から言い続けてますが。どうも1年目のロスリスバーガーにダブるものがあります。MVP万能RBトムリンソン、最強TEゲイツという手駒の破壊力は圧倒的で、厳しい状況に立たされることすらなくスイスイ行く可能性もなくはないですけど。ただ、初戦の相手は順当にいけば、当時、無敗だった新人ロスリスバーガーをあっさり喰らってみせたNE。うーん、楽しみ。個人的には、NEの凶悪ディフェンスに追い詰められ、オタオタして口から泡吹くリヴァースを見たいという、サディスティックな願望を抱いてます。
 私のシーズン前の本命BALは、15勝1敗とまではいきませんでしたが、13勝3敗の堂々たる成績で1回戦パス。やはりマクネアの偉大さ、というよりボウラーのヘッポコさを見くびってはいけなかったということだと思います。まともなQBさえ来ればこれくらい勝てるチームだったんです。あの3年間をBALフロントは三井寿ばりに後悔するがいい。守備は当然のようにリーグ1位。攻撃はRBルイスが今年もいまいちもっさりしてて迫力には欠けますが、平均失点12点台なので、TD1つ+FG2本取れば勝てる計算。というか、10点くらいは守備の力だけでもぎ取れそうな気がするので、オフェンスはFG1本取ればいい。それくらいなら大丈夫でしょう。当然、このプレイオフでも引き続き本命です。
 対抗もNEを据え置き。新人RBマローニの台頭で、昨季スランプだったディロンに過度の負担をかけず、かつうっかり王フォークに頼らずとも地上戦を戦える目処が立ったのが助かりました。WRを多く失いながらも数字を落とさないQBブレイディも流石。懸案だったDBもSハリソンの復帰と10INTとCBサミュエルの調子の乗りぶりで穴が埋まってますし、鬼の勝負強さであっさりスーパーボウルまで行っても何の不思議もありません。個人的には、調子に乗り過ぎたCBサミュエルがボッコボコにやられる姿も見たい気しますけど。あまり負ける姿の思い浮かばないチームですが、負けるとしたら地上戦を封じられてブレイディが無理投げしようとするもヘッポコWRが空かずドボンというパターンか。あるいは、勝負強さの権化だったKヴィナティエリの不在を嘆くような展開になったりしますか。
 そのKヴィナティエリのいるIND。RBエジェリン・ジェイムズの穴に、リーグ最下位の底抜けラン守備の二重苦でかなり苦労したシーズンでしたが、苦労してここまできたからこそ逆に怖い気もしないではない。ただ、今回のプレイオフは、はQBマニングが苦手な3-4守備をもつチーム揃い。ラン守備リーグ最下位という分かり易過ぎる弱点も見逃してもらえるわけもないですし、またハゲ散らかして終わりかもしれません。

 予想は、◎BAL…35%、○NE…30%、△SD…20%、×IND…10%、無印NYJ、KC…併せて5%、といった感じ。SDの低さは上記のドS願望込み。老獪なNEを力ずくでねじ伏せる馬力を備えてるチームで、NEにとってやりやすい相手ではないはずなので、NE、SDはトントンくらいが妥当かもしれません。そういえば、タナボタKCに触れてませんでしたが。まさかまさかの展開でのプレイオフ進出で運はありそうですが、QBグリーンはPOで勝てるQBではないと思ってます。どうせならQBヒュアードの方がこの運気にも乗れそうで、まだ面白かったんですが。

 NFCの分は明日にでも。