2005シーズン(6)NFC北

・SD@DENというプレイオフチーム同士の対戦に、WAS@DALのマンデーナイトとありましたが。
・SD@DEN、SDは、オフェンスの保守的ぶりが昨季よりも増してて驚きました、昨季の保守っぷりもかなりなものだったんですけど。
・DENは、強いんだけどどこか間の抜けてるところは健在なようで一安心。
・空気薄いところで激しいコンタクトとかしてるから、もの凄い勢いで脳細胞が死んでってるんだと思います。
・WAS@DAL、DALが完封ペースで試合を優位に進めながら、マーク・ブルネル→サンタナ・モスのラインに2打席連続HRを打たれてまさかの逆転負け。
・しかし、ブルネルといえば機動力が武器とか、スティーヴ・ヤングの後継者だとか久しぶりに聞きました、もうそれ誰も言ってないです黒氏アナ。
・黒氏アナが前にNFL実況をメインでやってたのは、ブルネルがJAXでブイブイ言わせてた頃ですから、その頃のイメージが強いんでしょうけど。



1.CHIベアーズ (昨季5勝11敗→今季予想9勝7敗、地区優勝)

・地区を引っ張ってきた二強が下降気配で、足を引っ張ってきた二弱がやや上向き、全チームが地区優勝にも最下位にもなる可能性がありそうな、昨年以上に低めなところでゴチャゴチャ混戦になりそうなNFC北地区。
・それなら思い切った予想を、ということで昨季最下位のCHIを1位抜擢。
・あのSTLにおいて、まともな守備を構築するという偉業(わずか1年で既に跡形もなくなってますが)を成し遂げたラヴィ・スミスHCだけに、就任1年目はもっぱらディフェンス強化に力を費やした様子。
・その成果が出て、守備はリーグ2位と立派なもの。
・・・・と思ったら、21位でした今気付いた(2位というのはまた例のタッチダウンプロの罠)。
・あー・・・、21位ですか、そうですか。
・既に、CHI1位抜擢の理由の根本がグラグラと揺らいでいますが、見てみぬフリをして「失点13位と立派なもの」に置き換えて話を進めます。
・その失点13位の守備は、昨年はだいぶ休んで影が薄くなってしまったシカゴの星LBブライアン・アーラッカ、DEアデワレ・オグンレイエあたりがフル回転すれば、更なる向上は確実。
・しかもやたらと若手が多い、多いどころか守備の先発メンバ全員20台(控えにも30台は見当たらない)という、フレッシュぶりは楽しみ。
・ピチピチした若手連中が化学反応を起こせば、本当にリーグ2位くらいの守備になってもおかしくありません。
・化学反応というのはヘタすると変なガスとか出す危険性もありますけど。
・しかしラヴィ・スミスというと、STLの前はTBでLBコーチを務めていたという、モンテ・キフィンの直系筋の人。
・となれば、アーラッカをガンガンブリッツに入れるような、アグレッシヴな守備スタイルでしょうから、若手揃いのチームがハマる(どっちの意味にも)可能性は十分ありえます。
・オフェンスは、正QBレックス・グロスマンが足を壊してしまい、2番手チャド・ハッチンソンがどことは言わないけど全体的に壊れていたため、新人カイル・オートンにお鉢がもの凄い勢いで回ってきました。
・常識的にはまず期待できませんが、新人QBというのは最初から無条件で先発を確約されてるドラ1選手より、こういうエースQBの思わぬアクシデントで先発の座が転がり込んできた選手の方が、そのまま運気に乗ってすいすい勝ったりするものですから。
・昨季のリーディングレシーバなのに、オフではランディ・モスの10分の1くらいしか話題になってなかったベテランで真人間のWRムシン・ムハマドの獲得は、新人QBには大きな助けになりそうです。
・大きく助けたところで、という話もありますけど。
・パスが期待できない分、頑張って欲しいラン攻撃は、ランナーとしては並以上は期待できないけど、RBではリーグ3位のパスレシーヴ数というマメな働きぶりを見せたRBトーマス・ジョーンズ兄と、ランナーとしては多いに期待されるけど、いきなりのホールドアウトでキャンプ全休とマメな守銭奴ぶりを見せてる新人セドリック・ベンソンのユニット。
・どの程度を期待していいのかどうか分かりませんし、出来ればあまり期待したくもないのですが、オートンがロスリスバーガーになるためには、2人でステイリー&ベティスくらいは走ってもらわないと困ります。
・ただ、ジム・ミラーになればいいのであれば、2人でアンソニー・"Aトレイン(鈍行)"トーマス並でいいということになりますので、それならなんとかなりそうな気もします。
・本当は、同じく前年度5勝から大躍進した4年前と同じように13勝としたかったんですが、さすがにそれはアレなので、間を取って9勝というところで。


2.DETライオンズ (昨季6勝10敗→今季予想8勝8敗、ワイルドカード

・スティーヴ・マリウッチHC体制3年目ということで、ぼちぼち結果出してもらわないと困るDET、今世紀に入って2勝→3勝→5勝→6勝、右肩上がりと言えないこともないです。
・今オフには、SF時代のオーウェンスのイジめられ仲間であるQBジェフ・ガルシアを呼び寄せ、いつまで待ってもパッとしないQBジョーイ・ハリントンに見切りをつけての勝負気配が漂います。
・一応、マリウッチは「開幕先発QBはジョーイ・ハリントン」と明言していましたが、それも「一昨年のCARの先発QBはロドニー・ピート」というのと同じくらいの嘘くささ。
・どうせすぐ(開幕戦のハーフタイムあたりで)ガルシアにチェンジするんでしょう、と思ってたんですが。
・しかしガルシアがプレシーズンで脚骨折全治2ヶ月、嘘から出たまことで今年もハリントンに託さざるを得ないことに、うーむ。
・先発3年務めても成長してるんだかしてないんだか怪しいハリントンが、4年目で突如ブレイクするというのはちょっと想像できないのですが、今年ダメなら間違いなくスーパーでレジ打ちのバイト行きですので、怪しいなりに頑張るかもしれません。
・レシーバ陣は、03年チャールズ・ロジャーズ、04年ロイ・ウィリアムズ、05年マイク・ウィリアムズという、マリウッチ執念の3年連続ドラ1指名WRトリオに、INDからキャッチングTEマーカス・ポラードを加えて、"デトロイト・エアライン"を結成。
・一番小さいロイ・ウィリアムズで188㎝、実に平均身長190㎝超という脅威のハイタワー・カルテットは、操縦さえまともなら(つまり2ヶ月後くらいに)猛威を振るうはず。
・いくらCBも近年大型化しつつあるといっても、190㎝台のレシーバをマークできるCBを3人も4人も揃えてるチームなどいませんから、常にミスマッチを狙えるというこの高さは本当に大きいと思います。
・新鋭RBケヴィン・ジョーンズのラン攻撃、ディック・ジャロンDC率いる守備は平均程度は期待できそうですので、チームの浮沈はとにかく"デトロイト・エアライン"の業績にかかってます。


3.GBパッカーズ (昨季10勝6敗→今季予想7勝9敗)

・昨季は序盤の大不振から盛り返し、MINが勝手に盛り下がったこともあって3年連続の地区優勝を達成したGB。
・チームを引っ張るのは、鉄人QBブレット・ファーヴ率いるリーグ3位のオフェンスですが、しかし今年はそのオフェンスに暗雲が。
・長年、ファーヴを守り続け、RBアーマン・グリーンを走らせてきた、鉄の結束を誇ったOLユニットが、マルコ・リヴェラ、マイク・ウォールと両Gが流出、Cマイク・フラナガンは膝の手術明け(Cとか膝には凄く悪そうな)と一気にパワー低下。
・OLが崩れると、元々、安定感があるとは言い難い近年のファーヴのプレイぶりがいっそう不安定さを増す危険性が高いです。
・また、昨季にビッグプレイ・ガイとしてブレイクしたWRジェヴォン・ウォーカーが開幕戦で前十字靭帯をやってしまい今季絶望というクライシス。
・代役はWRロバート・ファーガソン、ウォーカーとは似たようなタイプではありますが、まだ「ビッグプレイ・ガイ」の下位クラスの「一発屋」でしかありません。
ファーガソンに早めにクラスチェンジしてもらわないと、パス攻撃はWRドナルド・ドライヴァー頼みというだいぶ厳しいことになります(ドライヴァーは好WRではありますが)。
・昨季はINDに45点、TENに48点取られるなど、かなり痛々しいことになっていたディフェンスは、これといった補強もなく、今年も激しく不安。
・特に、ルーキーだったCBアマド・キャロルを、かなり危なっかしいカバーを連発していたにも関わらず14試合も先発起用せざるをえないほど層の薄かったパス守備は今季も手薄、DEカービア・バジャビアミーラ頼みのパスラッシュが不発だと大量失点しかねない空気を醸し出しています。
・昨季に比べてプラス材料といえるのは、試合中にしばしば前後不覚の昏睡状態に陥っていたボブ・スロウィックDCのクビを飛ばしたのと、どうにもやる気の感じられないプレイを連発していたSダレン・シャーパーをアール・リトルにチェンジしたくらい(これも微妙ですけど)。
・ここのところ、毎オフのように引退が囁かれるブレット・ファーヴですが、有終の美を飾るというのは極めて厳しいかもしれません。


4.MINヴァイキングス (昨季8勝8敗→今季予想7勝9敗)

・大エースWRランディ・モス放出に揺れに揺れたMIN、出て行ったモスがまた外から揺らしたり。
・昨季、QBレート110.9、ヤード数でいえばペイトン・マニング以上の4717yというもの凄い数字を残したQBダンテ・カルペッパが、果たしてモス抜きでも同じだけ活躍できるのかが、今年の最大の焦点ですが。
・「無理」の方向で。魂を賭けよう。
・モスが抜けた途端にリーグでも屈指の貧弱さに見えてきたレシーバ陣、モスに代わりエースWRに昇格したのは昨季1000y取ったネイト・バールソンですが、これはOAKの項でRBラモント・ジョーダンについて書いたのと同じく、「2番手(それもモスの2番手)だからこそ活躍できた選手」でしかないです。
・WRの場合は、2番手WRとエースWRとの間の壁は、ある意味でRB以上に大きいですし(エースWRには相手はまず1番手のCBをぶつけてきますし、場合によってはダブルカバー、トリプルカバーもされる)。
・一応、補強として、WRコレン・ロビンソンを取ったりしたようですが、穴埋めにしてもわざわざ「問題児」の部分だけ埋めようとするのもどうかと思います(デプスチャートに載ってないので、もうカットされたかも)。
・ケガばっかりで2年連続1TDどまりのRBマイケル・ベネットしか頼れるRBがいないラン攻撃(そういえばオンタリオ・スミスとかどこ行ったんでしょ)も、当てにしづらいので、カルペッパには大きな負担がかかりそうです。
・しかし、神経の細さではリーグ有数のカルペッパ、プレッシャがかかればかかるほどダメ人間になりますので、今年はもうアーアアアーって感じになって、モスが指差して笑い出すと思います。
・ディフェンスは、CBフレッド・スムート、LBサム・カワート、ナポレオン・ハリスなど積極的にテコ入れして期待できそうですが、昨季も「DBがチームの強味になる」とか期待したらパス守備27位でしたし。
・そもそも「守り勝つ」という文化がないチームですので、この大補強でもどこまで良くなるやら怪しいものです。
・昨季のFG成功率62.5%というポール・エディンジャーが正Kという時点でスペシャルチームはさっぱりですし、冬場の異常な弱さもまったく改善されてませんので、今年もささやかな笑いを提供するだけで終わりますきっと。


1.CHIベアーズ(9−7)・・・「がんばれベアーズ」リメイク記念。
2.DETライオンズ(8−8)・・・会場からのガルシアコール。
3.GBパッカーズ(7−9)・・・明日の涙のために。
4.MINヴァイキングス(7−9)・・・牛丼肉抜き。