2005シーズン(5)NFC東


1.DALカウボーイズ (昨季6勝10敗→今季予想11勝5敗、地区優勝)

・昨季はヤード数でいえばオフェンス14位、ディフェンス16位とプレイオフ級を維持しながら、得点25位、失点27位というビル・パーセルズらしからぬ詰めの甘さで沈んだDAL。
・昨年のプレビュウで「補強になってるかどうかさっぱり分からない」と書いたら、やっぱり補強になってなかった新戦力が最大の誤算でした。
・QBヴィニー・テスタヴァーディは年齢的な衰えからか肩が弱くなり、機動力はもともとないので、そうなるとずば抜けた不安定感だけが特徴という、ただの困った人に。
・RBエディ・ジョージも、あっさり新人に先発を譲るという欲のなさで、だてに出家してないというところを見せつけ。
・結局、新戦力でまじめに働いたのは、一番まじめそうでないWRキーション・ジョンソンだけという状態。
パーセルズの戦い方というのは、オーソドックスで手堅いボールコントロールを目指すスタイルなだけに、QBの乱調とRBの低調というのは致命傷でした。
・そこで今季は、オフェンスを立て直すべく新QBにNE時代の弟子ドリュー・ブレッドソーを招聘(テスタヴァーディもNYJ時代の弟子でしたが)、WRキーション、テリー・グレンとともに「パーセルズ・オールスター」を結成。
・まあ、実際には、パスオフェンスの中心はそんな出涸らし軍団ではなく、アントニオ・ゲイツよりもたくさんパスを取ってる万能TEジェイソン・ウィッテンですけど。
・ブレッドソーもINTは少なくないタイプですが、テスタヴァーディのようなムラっ気はないので、いくらかは安定するはずです。
・ランオフェンスは、エディ・ジョージから先発を奪ったRBジュリアス・ジョーンズに、確実に4y、は厳しいけど3yくらいは走るアンソニー・"Aトレイン(各駅停車)"トーマスという構成で、過大な期待はできないもののそれなり。
・ディフェンスには、DTジェイソン・ファーガソンに、CBアーロン・グレンという、これまたかつての門下生ばかりを招集する徹底ぶり。
・しかし、集められたのはいずれもあと一杯出ればもうけものという白湯寸前の出涸らしばかり(だからこそお手頃価格で集められたのですけど)。
・ブレッドソーはもう終わってる選手である可能性もあるし、アンソニー・トーマスは1年目で燃え尽き気味、ファーガソンもグレンも30台のベテラン。
・あのパーセルズがこれだけなりふりかまわない補強をすればさすがに結果を出してくるだろうし、出涸らしたちも最後の奉公とばかりに頑張ると見て、地区優勝予想にしましたが。
・逆にこれで今年ダメなら残るはポンコツばかり、しばらく暗黒時代が続くかもしれません。
・今年結果出したところで、2,3年後には暗黒時代な気もしますが。


2.PHIイーグルス (昨季13勝3敗→今季予想8勝8敗)

・4度目の正直でついにスーパーボウル進出を果たすも、NEの前に悲願とともにチームの絆まで砕け散ったPHI。
・今季の最大の課題は、敵味方問わず、というか味方ばっかり巻き込むWRテレル・オーウェンスの無差別テロ対策。
・一度火がつくと誰にも止められない、オーウェンスの怒りの導火線はスーパーボウルで既に点火済み。
・こうなると近いうちに大爆発するのは決定してますので、あとは爆発の時期をどこまで先延ばしに出来るか、爆発の被害をどこまで抑えられるかということになります。
・既に充分爆発してる被害が出てるという話もありますが。
・しかし、今季はWRトッド・ピンクストン、RBコレル・バクハルタの故障リタイアで、できれば触らずにそっとしておきたいオーウェンスに今まで以上に頼らざるをえない状況。
・ナイスガイだけど意外と打たれ弱いQBドノヴァン・マクナブにとっても、レシーバの駒不足とそれに伴うオーウェンスの権力の強化は心身ともに負担がかかりそう。
・この冷戦状態の元ホットライン間には、今や5回の好パスを通しても、1回のミスパスでブチ切れるような雰囲気が漂ってますので、マクナブもそのうち猫に話しかけはじめると思います。
・DTコーリー・サイモンなど多少の流出はあったものの、ジム・ジョンソンDCが健在な限りディフェンスはまず間違いないだけに。
・とにかくマクナブ、オーウェンス、それとWRBブライアン・ウエストブルックのオフェンス三巨頭が、シーズンをいろんな意味で無事に乗り切れるかだけなのですが。
・小柄なウエストブルックが酷使につぐ酷使によって潰れる可能性と、マクナブの痛みに対する弱さ(一度、怪我するとビビってしまってその影響がもろにプレイから感じられたりする)が出る可能性と、そんなマクナブに怪我を押してスーパーボウルをプレイしたオーウェンスがぶち切れる可能性と。
スーパーボウル敗退チームは翌年ダメダメというジンクスもあることですし、乗り切れないと見ての5勝ダウン予想。


3.NYジャイアンツ (昨季6勝10敗→今季予想6勝10敗)

・昨季は、QBイライ・マニング弟がSDは嫌だと転がり込んできたおかげで、否が応でもこのワガママ坊主の育成期間ということになってしまったNYG。
・結果、6勝10敗なら上出来のようですが、6勝のうち5勝はカート・ワーナーのものですから(マニング弟が先発した試合は1勝6敗)。
・しかし序盤は5勝2敗とプレイオフも狙えるペースだったのに、そこから2連敗したところでさっさとカート・ワーナーもプレイオフも諦めるというのは、潔いのかやる気ないのか。
・昨季の成績からして、今年も引き続きマニング弟の学習のためのシーズンとなりそうです。
・それにしては、学ばせる環境が整ってないのはどうかと思いますけど。
・レシーバは、並レベルのWRアマニ・トゥーマーに、問題児のWRプラクシコ・バレスとTEジェレミー・ショッキーという、新人でなくても扱うのに苦労しそうな面子。
・教師役となるべき控えQBも、苦労人っぽい見た目ほどにはキャリアがないティム・ハセルベック弟では、教えられるのは良い毛生え薬くらいなもの。
・ランパス併せて2000y走ったRBティキ・バーバー弟(弟ばっかいるなこのチームは)は頼りになる選手ですが、若いうちからRBにばっかりパス投げてるとドリュー・ブリーズ程度のQBにしかなりませんので頼りすぎるのもどうかと思います。
・OCのジョン・ハフネイゲルという人は、ダグ・フルーティやジェフ・ガルシアを育てたそうですが、ポケットパサーであるマニング弟を育てるのにその経歴が何かプラスになるのやら。
・そして2年目のトム・コフリン軍事政権の周囲にも、早くも何やらキナ臭い雰囲気が漂い始めている様子。
・PIT時代に熱血漢ビル・カウアーとごちゃごちゃやってたバレスが加入し、昨季はケガで大人しめだったDEマイケル・ストレイハンが復活するとなると、成績次第ではいよいよクーデターの可能性も。


4.WASレッドスキンズ (昨季6勝10敗→今季予想5勝11敗)

・時を越えて魔界転生したジョー・ギブスHCがウラシマ効果に悩まされ、オフェンスは30位、なんとMIAより進まなかったという惨状を呈したWAS。
・とにかくパスオフェンスがどうにもこうにも。
・今年もQBのポジションは、もう終わっちゃったマーク・ブルネルと、まだ始まってないパトリック・ラムジーの先発争い、どっちでもいいです。
・WRも、デヴィッド・パッテンに、サンタナ・モス、ジェイムズ・スラッシュという、2〜3番手WRとしてなら丁度良さそうな選手ばかり揃えてますが、何がしたいんでしょう。
・どうもこのチーム見ると「安物買いの銭失い」とか「名古屋グランパス」といった言葉が浮かんできて仕方がありません。
・リーグ3位と密かに凄い数字を残していたディフェンスは、CBフレッド・スムート、LBアントニオ・ピアースが流出し、LBラヴァ・アーリントンが故障上がりと、ややダウンとか。
・今年もNHKに放送されないところでこっそり良い数字を残すんではないですか、知りませんけど。
・RBクリントン・ポーティスは、DENを離れても1300yラッシュという本物ぶりを見せてるだけに、QBさえまともになれば、プレイオフに数字上は出れる可能性がなくはないというあたりまでは来ても、おかしくはないと言ったら嘘になります。
・嘘?


1.DALカウボーイズ(11−5)・・・ツナ一家心中。
2.PHIイーグルス(8−8)・・・パスを投げるごとに爆発物処理のスリル。
3.NYジャイアンツ(6−10)・・・じ・ゆ・う! じ・ゆ・う!
4.WASレッドスキンズ(5−11)・・・WEEK2のマンデーナイトが、今年WASを見る最初で最後のチャンスですたぶん。