2005シーズン(4)AFC西


1.KCチーフス (昨季7勝9敗→今季予想11勝5敗、地区優勝)

・あいかわらず強力なリーグ1位のオフェンスと、あいかわらずかっぱえびせんな31位のディフェンスという、攻守の格差30位、IND以上にボリショイ大サーカスなチーム構成で見事に転げ落ちたKC。
・こっちは完全に参ったとタップしてるにも関わらず、それを無視してモゲるまで足を引っ張ったディフェンスですが、さすがに人道的にどうかと非難されたのか、このオフは人並みに補強を敢行。
・特にCBパトリック・サーテイン、Sサミー・ナイトを加えたDBは、字面だけ見れば「リーグ屈指」と言われても、納得できないこともない。
・実際は、ベテランオンリーの構成はスピードに対してかなり不安があるし、第3CBはドゥエイン・ワシントンだしで、軍曹カニンガムDCが今年も「アグレッシヴ守備」と称した、へっぽこDLでは単に無鉄砲なだけの守備を導入するようだと、大穴のあく危険性も高いような気がしますが。
・まあ、普通に守る分には、少なくとも無人の荒野と化していた昨季のパス守備よりは遥かにましになるはず。
・LBも、昨季リーグ1位守備のPITから、その1位ぶりに別に貢献していたわけではないLBケンドレル・ベルと、ドラ1で新人デリック・ジョンソンを獲得、名前ほどはインパクトのあるタックルのできないスコット・フジタを放出するなど総入れ替えの様相。
・LBより後ろはポテンシャルをフルに発揮すれば、大活躍してもミラクルとまでは言えない程度の力はありそうなメンバが揃い、いくらDLがアマゾン奥地並に手付かずの未開の地であるといっても、それなりに戦えるはずです。
・それなりと言っても、せいぜい31位だったのが26位になる程度でしょうけど、このチームの場合はそれでも充分です(13勝した一昨年も守備はリーグ29位)。
・あれだけの守備でも、独力で7勝を叩き出した豪腕オフェンスは、今季も巨大OL、鳥人TEトニ・ゴンザレスは健在。
ジョニー・モートンが抜けたWR陣はリーグ4位のパス攻撃とは思えないほど小粒。
・ですが、怪我に苦しんだ万能RBプリースト・ホームズが復活してくれば、モートンの分くらいはパスも取って走ってくれますので問題なし。
・昨季は相手の厳しいマークとWRとの掛け持ちとで、一昨年ほどのインパクトを残せなったダンテ・ホールですが、今季はリターンに専念とのこと、神のリターン復活にも期待がかかります。
・昨季に比べると期待要素ばかりの今季、白髪鬼ディック・ヴァミールHCの咆哮がプレイオフに帰ってきましょう。


2.DENブロンコス (昨季10勝6敗→今季予想9勝7敗、ワイルドカード

・昨季は攻撃5位、守備4位と、数字だけ見ればスーパーボウル級(NEで7位、9位)なのに、実際には10勝止まりでプレイオフ1回戦で敗退。
・どうにも「一見強そうだけど実は勝負弱い噛ませ犬」というキャラが確立してしまった感があるDEN。
スーパーボウル連覇の時は勝負の鬼だと思ったものですが、その時以来、プレイオフで1勝も出来てない(0勝3敗)というのは。
・デイブ・ウォンステッドじゃないんですから、いい加減マズいです。
・昨季フル出場を果たしたQBジェイク・プラマーは、TDは倍増(15→27)したものの、INTは倍どころか3倍増(7→20)、パス成功率も50%台に逆戻り、アリゾナの砂漠が懐かしくなったのでしょうか。
・この上手いんだかヘタなんだか分からないのがプラマーらしいといえばそうなんですが、もう30過ぎたオッサンなんですから、「自分らしさ」とか青いことを言ってる場合ではないと思います。
・新エースとして台頭してきたWRアシュリー・レリーが一発屋系で、爆発力はあるけど勝負どころで全幅の信頼は置きかねるタイプだというのも、DENのプレイオフでの弱さに繋がってる気が。
一発屋系というのは「プラマーらしさ」とは相性的にはピッタリなタイプと言えないこともないのかもしれませんけど。
・そんなピッタリ感はいらいないから2人揃ってさっさと大人になれと言いたい。
クリントン・ポーティスに続いて1200y走ったルーベン・ドローンズもあっさり放出と、エースRBの価値がNFLで最も軽んじられてるDEN、今季はマイク・アンダーソン、テイタム・ベル、ロン・デインのうちの誰かから1000yラッシャーを出すつもりらしいです。
・デインはまずないし、アンダーソンも今更という感じなので、となるとベルでしょうか。
・ベルか?
・しかし、ヘタに活躍して年俸アップを要求すると即クビという鬼畜な人事施策は、モチベーション的にどうなんでしょう。
・ディフェンスは、LBアル・ウィルソン、イアン・ゴールドらの獰猛だけど知性はいまいち感じられないフロント7に、CBチャンプ・ベイリーは良いけどその逆サイドのことを考えると夜も眠れないくらい不安なDBと、見た目のわりにモロいところもあり、磐石とは言えず。
・今季もプレイオフ争いには確実に絡んでくるでしょうが、それ以上ということもなく、またワイルドカードレイオフでINDあたりにコッパミジンにされるんでしょう、1勝ダウンの9勝予想。


3.SDチャージャーズ (昨季12勝4敗→今季予想6勝10敗)

・昨季はまさかまさかの大躍進、マーディ・ショッテンハイマーが久しぶりにレギュラシーズンでの名将ぶりとプレイオフでのへっぽこぶりを発揮したSD。
・躍進の原動力はリーグ3位の得点をマークしたオフェンス。
・オープンのランか、スクリーンパスか、ミスマッチを突いたTEへのパスかという、ほぼ三択のシンプル極まりないオフェンスなんですが、これがRBラディニアン・トムリンソン、TEアントニオ・ゲイツという卓越したタレントと、QBドリュー・ブリーズの控えめなタレントを最大限に活かすことに。
・引き出しは少ないのですが、分かってても止められない個人能力の高さのおかげで、ローリスクハイリターンという理想的な攻撃を展開してました。
・しかし、マークされる立場となる今季も、三択オフェンスだけであそこまで突っ走れるかというと疑問も。
・また、契約でもめて出場停止をくらったりしたゲイツと、あれだけ頑張ったにも関わらず来季にはフィリップ・リヴァーズに取って代わられることがほぼ確定してるブリーズの、忠誠心の低下も気に掛かるところです。
・特にブリーズについては、サイドラインに戻っても、そのウロウロぶりで心を和ませてくれた控えQBのダグ・フルーティがチームを去ってしまい、自分のクビを狙う若手ばかりに囲まれるという状況、心休まりません。
・また、昨季はおそろしくヌルかったスケジュールも、今季はNE、PHI、NYJ、INDといったプレイオフチームと、いずれもアウェイゲームが組まれるという極悪ぶり。
・チーム力自体は落ちてませんが、昨季の12勝はあまりにも出来すぎ、プレイオフでNYJに競り負けたのが実力です。
・今季は大きく星を落として、へたすれば地区最下位まで落ちる可能性もあると思います。


4.OAKレイダーズ (昨季5勝11敗→今季予想6勝10敗)

NFLの姥捨て山と化しつつあるOAK(ただし捨てられっぱなし)。
・今オフは若くしてWRランディ・モスがMINから厄介払いで捨てられてきました。
・モス本人は「勝ちたいから来たんだ」と言ってるようですが、勝ちたいのにOAKなどに来てしまうような思考回路の持ち主だから厄介払いされたのだと思います。
・しかし、ターゲットがダブルチーム、トリプルチームでマークされてようが、パス投げると決めたら投げるギャンブラーQBケリー・コリンズと、ダブルチーム、トリプルチームでマークされてようが自分に投げげないと怒るモスのコンビは、いろんな意味で破壊力満点、大爆発必至です。
・爆発に味方が巻き込まれる可能性も多いにあるわけですが。
・モスと並ぶ補強とも言われてるRBラモント・ジョーダンですが、それはいくらなんでもモスに失礼、サンタナ・モスと並ぶくらいならまだしも。
・NYJの項で、散々「ジョーダンの穴は大きい」と書いておいてなんですが。
・しかし、2番手として素晴らしい活躍をして「他のチームならエース級」とか言われてる選手というのは、実際にエースとして引き抜かれて多くの出番を与えられたら、それに比例して活躍するかというとそうでもなかったりするもの。
・具体例としては、フレッド・テイラーの控えだったジェイムス・スチュワートとか、エイモス・ゼラウェイとか、WRでいえばピアレス・プライス、アザヒア・ハキームとか。
・あくまでもジョーダンは「NFL最高のRBであるカーティス・マーティンの最高の控えRB」でしかありませんので、ジョーダン一人だけ取ってきても、そうたいしてラン攻撃が向上するとは思えません。
・まあ、OAKのラン攻撃は32位でしたから、一応「向上」はするでしょうけど。
・リーグ30位、失点31位という惨状だったディフェンスは、モスと交換のLBナポレオン・ハリス、CBフィリップ・ブキャナンの放出で更に酷いことに。
・DLだけはしっかりしていますが、それもDTテッド・ワシントン、ウォーレン・サップという大ベテランに頼ってのもので、シーズン終盤まで頑張れるかはかなり怪しい。
・魅力もあるんですが、穴もあまりにも大きい、相手によってドカーッと蹴って爆勝したと思ったら、ルカーッと叫んで大惨敗したりと、よくなくなくなくなくないシーズンになると思います。


AFC分をまとめ。
・地区優勝はBUF、BAL、JAX、KC、ワイルドカードはIND、DEN。
・昨年のプレイオフチームはINDとDENの2チームだけですか、今年はちょっとはっちゃけました。
・それでもなぜか自信はあります、自分でも不思議です。
AFC本命はもちろん◎BUF、3年連続本命です優勝するまでずっと本命です。
・オフェンス型のチームはプレイオフでは推しづらいので、必然的に対抗○BAL、穴▲JAXで。