2005シーズン(3)AFC南

・IND@BALは、お互いの攻守が拮抗した好ゲームで見応え充分でした。
・特に、ペイトン・マニングとレイ・ルイスのオーディブル合戦はもう。
・前半終了間際まで両チーム無得点という均衡を崩したのは、一つの反則とキッカーの錯乱。
・どうしたストーヴァー、そんなキャラではないだろうに。
・まあ、キッカーというのは、名手と言われてた選手でも、一度スランプに陥るとどうにもならなくなったりするものですが(グラマティカとかアル・デルグレコとか)。
・しかし、BALにとってキックというのは最大にしてほとんど唯一の得点源なだけに、乱調が続くようだと致命傷になりかねません。
・やっぱり帯はおろか襷にすら短かったのがBALのQB陣。
・カイル・ボウラーはあいかわらずの遠視っぷりで、デリック・メイソンを全く活かせないし。
・かといってアンソニー・ライトだと、メイソンは活かせてましたが、背が低い(=パスの弾道が低い)し、肩も弱いので、今度は長身のクラレンス・ムーアやトッド・ヒープを使いこなせない。
・まともなQBなら、メイソン&ムーアというデコボコWRコンビは結構な武器になりそうなんですが。
・あと、フリーニーはオグデンいじめ過ぎ。



1.JAXジャガーズ (昨季9−7→今季予想10−6、地区優勝)

・ジャック・デルリオHC体制3年目のJAX、昨年は今世紀初の勝ち越しをマーク、ホップステップときてジャンプの今年は、更なる躍進を期待して1位抜擢。
・INDを1位にしたくないから無理矢理に抜擢したというわけでは、決してないらしいです。
・ニヤケ面のデルリオですが、ブライアン・ビリック、ジョン・フォックスの下で働いていただけあって、顔に似合わず、激しい守備を基にしたストロングスタイルのチーム作りで、INDのショーアップ空中殺法にガチで挑みます。
・チームの中核は、DTマーカス・ストラウド、ジョン・ヘンダーソンという動けるデブ2人が中央を固めるところに、2年で19サックをあげてるDEレジー・ヘイワードを加えてパスラッシュ力も強化された強力DL。
・一昨年のCARや、昨年のSD、ATLなどを見ますと、どうやら「活きのいいDLを作る」というのがシンデレラへの近道の様子、とすると今年のJAXはシンデレラの有力候補といっても過言ではないです。
・一方、ディフェンスの陰に隠れてるオフェンスの方は、かなり不安も。
・ラン16位、パス19位とバランスが取れてるようですが、得点が29位と全く伸びていのが問題。
・強肩だけどショートパスがいまいちのQBに、爆発力はあるけどショートヤードのゴリ押しに使うには不安なガラスの脚をもつRB、ベテラン頼みの層の薄いWR、キャッチのヘタなTEと、ずらっと揃っては、エンドゾーンに近付くほどTDが遠ざかりそうなオフェンスです。
・この得点力不足、解決策としては考え付くものはいろいろあります。
エンドゾーンに近付く前に、QBバイロン・レフトウィッチの豪腕をブンブン振り回してのビッグプレイでTD狙いにいくとか。
・昨年のドラ1WRレジー・ウィリアムズか、今年のドラ1QB上がりWRマット・ジョーンズか、どちらかの若手長身WRにブレイクしてもらうとか。
・普通に使っててもどうせ2年に一回は壊れるんだからと、RBフレッド・テイラーにガンガン持たせるとか。
・いっそTDを諦めるとか。
・何でもいいですが、とにかく得点を中位あたりまで持ってくれれば。
・INDとは昨季も1勝1敗と力が接近してきてるのは確かですし、地区優勝は充分狙えると思います。


2.INDコルツ (昨季12−4→今季予想10−6、ワイルドカード

NFL記録を次々塗り替えた爆発的オフェンスと、あいかわらず改善の気配どころか年々退化してる感すらあるディフェンスとのアンバランスアタックで、今年もプレイオフでの大自爆に挑むIND。
・戦力的にはTEマーカス・ポラードが抜けた程度で大きな流出もなく、ぼぼ平行線。
・点は山のように取られるでしょうが、嵐のように取り返すという戦い方で、昨年並の数字は残せるだけの面子はいます。
・しかし、オフェンスにあらずば人にあらずといわんばかりの、極端にオフェンス優位のアンバランスなチーム構成は、アンバランスゆえの歪みが出てきてるような気が。
・しかも歪み出してるのは、保守的なコーチ陣をシカトするQB、移籍を口にして雰囲気を悪くしておいて居残るRB、ヘタレなくせに文句は一人前に言うKという、いずれもオフェンスの中心的存在。
・歪みというか、根性が捩れだしてます(Kマイク・ヴァンダージャットの根性については前からだという気もしますが)。
・特にQBペイトン・マニングとコーチ陣の間の冷戦状態は、チームが勝ってる時はまだしも、一度負けだすと、責任のなすり合いで、チームを分裂させる大乱を引き起こす可能性が高いです。
・また、もう一つの不安点として、昨年の記録的オフェンスの影の立役者であった「イリーガルコンタクトの適用の厳格化」が、今年は適用がいくらか緩まるんではないかというのがあります。
・「緩まるんではないか」というのは、私が勝手に言ってるだけなのですが、まず間違いないと思います。
・日本のプロ野球でも高めのストライクなどいつのまにかすっかり取らなくなりましたし。
・あのデコ魔人に2年連続でQBレート120台など出されてはたまるかという気もしますし、昨年以上はないと見て2勝ダウンと予想。


3.HOUテキサンズ (昨季7−9→今季予想8−8)

・4勝→5勝→7勝と、チームのトレードマークの牛のごとく漸進漸進を続けるHOU。
・デビュー以来、サックをペニントンなら2回は死んでそうなほど喰らいながらも、漸進を止めない、牛のごとくタフなQBデヴィッド・カーは、昨季はパス成功率を60%台にのせ、QBレート83.5と、ようやく一人前になってきた様子。
・ただ、パス攻撃は、WRアンドレ・ジョンソンはカーとのホットラインを形成しつつあるものの、2番手としてはあまりに当てにならない一発屋系のコーリー・ブラッドフォードなど、レシーバの層が薄過ぎて、武器とはなりえません。
・カーについては「しっかりした守備と安定したRBがあればチームを勝ちに導く力はないことはないというタイプ」と、誉めてるのか貶してるのか分からないような評を2年前に書いたのですが。
・若きエースRBドゥマニク・デイヴィスは、1000y走っており、それなりに安定はしてるんでしょうが、カーを勝たせるためには平均3.9yというのはもう一息、二息欲しいところ。
・リーグ23位失点15位と、それなりではあるけど「しっかしりした」とまでは言えない守備は、2年で300タックルのLBジェイミー・シャーパー、頼りになるベテランCBアーロン・グレンが流出。
・代わりは、MIAからLBモーロン・グリーンウッドとかいうのと(知らない)、いろんな意味で破壊力を秘めてるCBフィリップ・ブキャナンという、プラスに転ぶ可能性もゼロとはいえないけど限りなくゼロに近い補強。
・むしろ優秀守備新人2位のCBダンテ・ロビンソン、今年のドラ1DEトラヴィス・ジョンソンあたりの方が期待できそうですが、劇的な向上は望めませんか。
・今年も良くも悪くも「漸進」、1勝上乗せの8勝で。


4.TENタイタンズ (昨季5−11→今季予想5−11)

・昨季は、NFL死に至る病サラリーキャップの前に、ジェフ・フィッシャーHCのヒゲで束ねられた鉄の結束も崩れ去り、一昨年の12勝から5勝と豪快に大往生を遂げたTEN。
・今オフは、病魔の後遺症に苦しむくらいなら完治を目指そうということで、WRデリック・メイソン、DEケヴィン・カーター、CBアンドレ・ダイソンなど主力を片っ端からバサバサ切り捨てるという荒療治に。
・おかげで今年のチームはスッカスカになりましたが、止むを得ません、どうせならこれぐらい思い切ってメスを入れた方が安心できます。、
・ということで、ケガに苦しんだQBスティーヴ・マクネアとともに、チーム全体でリハビリにつとめることになる今季。
・とりあえず早期の社会復帰のために、今年は「エディ・ジョージ、マクネア後」を担う、核となる人材を発掘、育成したいところです。
・今のところ有力なのは、QBビリー・ヴォレック&WRドリュー・ベネットのホットラインあたりなのでしょうけど、手軽だからってこれを核にしてしまうと、中途半端な社会復帰になりそうな気もするので人選は慎重に。


1.JAXジャガーズ(10−6)・・・実はお気に入りレフトウィッチ。
2.INDコルツ(10−6)・・・でこっぱちマニングvsモアイ顔ダンジー
3.HOUテキサンズ(8−8)・・・漸進してても転落する時はあっという間、足下には注意。
4.TENタイタンズ(5−11)・・・対戦相手に優しいバリアフリーなチームを。