2005シーズン(1)AFC東


1.BUFビルズ (昨季9−6→今季予想11−5、地区優勝)

・今年こそはいける気がするBUFを、王者を差し置いて1位指名。
・昨季も期待していたのですが、私の期待に見事に応えて開幕4連敗という大出遅れ。
・しながらも、終盤6連勝と怒涛の追い込みで99年シーズン以来の勝ち越し、上昇気流まっただなかです。
・DLからDBまでビッグネーム揃いのディフェンスはリーグ2位、看板に偽りなしの堅さで、大きな流出ない今年もランパス不安なし。
スペシャルチームも、3キックオフリターンTDを決めたテレンス・マギーを抱えて強力。
・となると、成績を左右するのはオフェンス。
・昨季は、開幕4連敗中は全て10点台と極度の得点力不足に喘ぎながら、終盤6連勝の時は、全試合で30得点以上というハイスコア。
・最終的にはリーグ7位の得点という、強いんだか弱いんだか。
・終盤の急上昇の理由は、RBウィリス・マゲイヒー、WRリー・エヴァンスという新戦力の台頭。
・RBマクゲイヒーは11試合の先発で1000yを軽くオーバー、13TDランはPITのTDマシン、ジェロウム・ベディスと同数という立派なもので、トラヴィス・ヘンリーをあっさり追い出すことに成功。
・WRエヴァンスも48キャッチで848y9TD、1キャッチ平均17.6yという新人離れした数字をマーク。
・平均17.5yとなると、実にエディ・ケニソン並の数字という。
・ケニソン?
・そしてもう一つ大きかったのが、HCマイク村木の開き直り。
・序盤は、勝敗の責任が直に問われるHCという立場にビビったか、サーカス興行師村木らしからぬ「まとも」なプレイコールなど出していましたが。
・シーズン半ばにもなると、ピエロが「まとも」なことやっても凡人以下にしかならないことにようやく気付いたか(気付いてなかったことに驚き)、得意のトリックプレイに走り出し、一気に調子乗りだしました。
・調子に乗った村木の怖さ(いろんな意味で)は、PIT時代にも実証済み。
・今季最大の不安要素は、実績あるドリュー・ブレッドソーから実績ゼロのJ・P・ロスマンに代わったQBと言われていますが。
・確かに、堅い守備、有望なRB、WRと揃ってプレイオフが狙える中で、新人QB(厳密には2年目)を起用するというのは大きなギャンブルではあります。
・しかし、そもそもHCにマイク村木を起用してる時点でギャンブルにもほどがあるので、もう一つくらいギャンブル要素が増えたところでどうということもないです。
・それに、実績あるがゆえに逆に村木のサーカスぶりにいまいち馴染めなかった堅物ブレッドソーよりも、走力もあるらしい白紙状態のロスマンの方が村木大サーカスにハマる可能性は高いと見ます。
・だいたい、昨季のブレッドソーはリーグ下位クラスのQBレート76.6ですから。
・それを大きく下回るようなことは、ロスマンがカイル・ボウラー並だったとか、村木が開き直り過ぎたとかない限り、ないはず。
・マガヒー、エヴァンスが開幕時からエースとして使えると分かってる分、ロスマンがボウラー以上ジョーイ・ハリントン以下くらいであっても、昨季以上の数字は残せて当然だとすら思ってます。
・あと問題になりそうのは、McGaheeの読み方がわからないことくらいです。


2.NEペイトリオッツ (昨季14−2→今季予想9−7)

・3連覇に挑む王者、しかし今季は手負いの愛国者
・とにかく、NEトリプレッツのうち、OCチャーリー・ワイス、DCロメオ・クレネルと2人も流出したのが痛過ぎます。
・クレネルの穴は、元々守備の才人として知られるHCビル・ベリチックが何とかするにしても、常勝の太っちょワイスの穴は埋めようがありません。
・現在最強のQBであるトム・ブレイディですが、その最大の武器は作戦遂行能力の高さ。
・つまり最高の作戦を組み立てるワイスと組んでこその最強ブレイディ。
・新OCがどんなものかは分かりませんが、その"作戦"が並だと、ブレイディも「ちょっと勝負強いだけの普通のQB」になってしまう可能性もなくはないです。
・ということでワイス分だけで4勝はダウン。
・更に、CBタイ・ロウ、WRデヴィッド・パッテンが流出し、LBテディ・ブルスキ、テッド・ジョンソンが病魔に倒れるという非常事態。
・昨季ろくに出てなかったロウの穴は急成長のランドール・ゲイでカバーできるし、パッテンはいなくなったところでそもそも穴というほどの大した痛手でないとしても、LBの2人、特にNEディフェンスの魂であるブルスキ不在は大きい。
・で、更に1勝ダウンで9勝、3連覇どころかプレイオフすら逃すという計算です。
・というか、プレイオフに出てしまうとこのチームは負けるところが全く想像できないので、3連覇逃す=プレイオフ出れないとせざるをえません。
・DENも3連覇挑んだ年は惨憺たるものでした(テレル・デイヴィスの故障とブライアン・グリーシーの活躍で)し。


3.NYジェッツ (昨季10−6→今季予想7−9)

・あいかわらず派手さはカケラもないものの、攻撃12位、守備7位とバランスの取れた戦いぶりで、コツコツ星を稼いでプレイオフに潜り込んだNYJ。
・今オフの主な動きは、エースWRサンタナ・モスと元エースのラヴァラニアス・コールズをトレード、ブロッキングTEアンソニー・ベクトを出してキャッチングTEダグ・ジョリーをもらい、ガラスのエースQBチャド・ペニントンのバックアップにMIAで先発争いに敗れたガラクタのエース、ジェイ・フィードラーを獲得と。
・どれもこれも意味があるのかないのか、強化されたのか弱体化したのかさっぱり分からない補強。
・とりあえず、はっきりと「補強」といえるのは、思いがけず転がり込んできたCBタイ・ロウと、チームを地獄に落としたKダグ・ブライエンのクビを飛ばしてドラフト2巡という高順位を使ってキッカーを獲ったことくらい。
・しかし、キッカーにドラ2を使わざるをえないというのは普通とはいえません(つまり、それだけブライエンの外しっぷりは普通じゃなかったわけですが)ので、必ずしも有意義とは言い難い。
・地味に痛いのが、馬車馬RBカーティス・マーティンの影で好ランを連発していた控えRBラモント・ジョーダンの放出。
・影といいつつ500y近く走っていたジョーダンが抜けたことで、マーティンの馬車馬っぷりに拍車がかかるようだと、さすがに潰れかねません。
・と毎年のように言われつつ、潰れないのがマーティンなのですが。
・ジョーダンに代わる控えRBがいないので、マーティンがジョーダンの分までボール持って、460回ほど走ってもらえるなら、今季もプレイオフに出れると思います。
・カギを握りそうなのは、何かと保守的だのビビり過ぎだのと批判を受けてたOCポール・ハケットに代わる、TENから来た新OCマイク・ハイマーディンガー。
・まあ、誰がOCになろうと、このチームの人材では手堅いオフェンス以外やりようがないような気もしないではないですけど。
・ジョーダンの穴は意外にデカいと見て、3勝ダウンと予想。


4.MIAドルフィンズ (昨季4−12→今季予想5−11)

・昨季は実に88年シーズン以来となる負け越しを喫して、無駄に長く続いたヒゲ政権にピリオド、新HCニック・セイバンのもと再建に臨むMIAですが。
・今年も長く厳しい冬を迎えそうです。
・出ないラン、守れないライン、錯乱するパスと、どうしようもなかったオフェンスは、今年ももちろんどうしようもない。
・パス攻撃は、AJ・フィーリー、サージ・ローゼンフェルズとの激烈にしょっぱい先発QB争いを制した旅烏ガス・ファーロット(TDプロ誌によるとフレロッテ)が率いることに。
・フレロッテさんは、リリーフとして1,2試合穴埋めを任せる分には頼もしい男ですが、1番手としてシーズン通して先発を任せるにはいささか心許ない。
・WRも2001年以降まともに働いていないデヴィッド・ボストンが目を覚まさない限りは並以下でしかなく、パス攻撃に期待できる要素は乏しいです。
・まあ、ダン・マリーノ引退以来ずっと、MIAのパス攻撃はろくに期待されてませんので、特に問題ないともいえます。
・生命線はラン攻撃。
・このチームは守備が良いだけに、ラン攻撃である程度時間コントロール出きればなんとか戦えるのですが、一度燃え尽きたリッキー・ウィリアムズといきなりホールドアウトの新人ロニー・ブラウンが頼みでは。
・「ある程度」すら高望みかも。
・そもそも頼む前にラインが穴を開けられるかが問題。
・穴も開いてないのに無理矢理走らせようものなら、あっという間にリッキーがまた燃えカスになり、マリファナ吸って引きこもる危険性もあります。
・MIA看板の守備も、トータル8位と面目は保ったものの、パス守備2位(TDプロ誌によると20位)、ラン守備31位となんともアンバランスで危うい感じ。
・フロント7は全体的に高齢化が進んでおり、強かったらしいパス守備はCBパトリック・サーテイン、Sサミー・ナイトが抜けて一気に弱体化、守備だけで勝てるほどの力はなさそう。
・HCがヒゲじゃない分、予想勝ち星は一つ上乗せしておきましたが、温暖なマイアミに冷徹そうなセイバンが馴染むかどうかも疑問はあります。


1.BUFビルズ(11−5)・・・適度に開き直れ村木。
2.NEペイトリオッツ(9−7)・・・両腕をもがれたベリチック。
3.NYジェッツ(7−9)・・・マーティン大作戦よ永遠に。
4.MIAドルフィンズ(5−11)・・・セイヴァンヴァヴァーン。


・しかし箇条書きは、無駄に縦長になるのが難ですね。
・実際以上にたくさん書いてるように見えるという長所もありますが。