2004シーズン(Fin)NFC−北


1.GBパッカーズ (昨年10勝6敗→今年予想12勝4敗、地区優勝)

 結束を固める鉄人ファーヴと愉快な仲間たち。丸っきり昨年と同じと言ってもいいメンバで、ディヴィジョン準決勝で敗れた昨年以上を目指します。これだけ先発に動きがないというのはNFLでは珍しいのではないでしょか。プラスアルファが見込めるのは連携の向上と各選手の成長分。そしてQBブレット・ファーヴのバイオリズム。近年、好不調の波が激しく、特にプレイオフでの乱調が目立つファーヴですが、そろそろマイク真木も呑み込むようなビッグウェーヴが訪れるような気がするのです。攻撃の中心はファーヴと万能RBアーマン・グリーン。というより、ファーヴを守り続け、グリーンのために穴を開けまくった、Cマイク・フラナガン機構を中心とするOLでしょうか。特に連携が求められるこのポジションで、昨年全試合先発の5人がそっくり残ったというのは大きなアドバンテージ。今年も鉄人ファーヴの連続出場記録を伸ばし、グリーンをスイスイ走らせてくれることでしょう。一方、守備もメンバは変わってませんが、こちらは可も不可もないというところ。プレイオフでビッグプレイを決めたCBアル・"偽マッケンジー"ハリスには、マイク・マッケンジーを「偽アル・ハリス化」させるくらいの活躍を期待したいです。あとはプレイオフでATLと当たらないことを祈ります。

QB#4ブレット・ファーヴ 肩:A- 脚:B 心:AA
 ライフルアームとアイアンボディを備えた、黄金の心をもつQB。96年シーズンにスーパーボウル制覇、3年連続MVP(95〜97年)、92年以来の連続先発記録など輝かしい実績をもつ、NFLを代表する選手。WRに向けて弾丸のようなパスを投げ込む豪腕パサー。「投げ込む」という表現がこれほど似合うQBも他にいないです。だんじり祭りを思わせる勢いでランブロックに張り切って参加するなど、無茶と紙一重な闘志漲るプレイぶりには男でも惚れます。そんなファーヴももう34歳。健在なうちにもう一度、スーパーへ。


2.MINヴァイキングス (昨年9勝7敗→今年予想9勝7敗)

 昨季は破竹の開幕6連勝。そして怒涛の4連敗。そこから、勝ち負けを几帳面に交互に繰り返すという。モノトーンで描かれた勝敗表という名のエレガントな芸術に、全世界で感動と爆笑の嵐が。アーティストって素晴らしい。勝ち負けだけが、プレイオフに出ることだけが、価値ではないということを、MINは体を張って示してくれたのです。たぶん。チームの看板である攻撃陣はQBダンテ・カルペッパー、WRランディ・モスの悪徳ライン健在で爆発力あり。控えもQBガス・ファーロット、RBマイケル・ベネット、モー・ウィリアムズ、WRマーカス・ロビンソンと充実。というか、こっちが出た方が勝てるんじゃないですか。アーティスト面での看板である芸術的に爆発的な守備陣には、CBアントワン・ウィンフィールドが加入。昨季、2人合わせて17INT上げたブライアン・ラッセル、コーリー・チェイヴァスのSコンビとともに、DBがチームの強味になるという、MINらしからぬ状況になる可能性も出てきています。戦力的には充分プレイオフ以上を狙えるものはあります。私は芸術家としての性に期待を込めて、ギリギリでプレイオフを逃がすという予想をしましたが、今季は最終戦の相手がWAS。こちらも芸術家肌なだけに予断は許しません。

QB#11ダンテ・カルペッパー 肩:A- 脚:A 心:B-
 身長193cmに体重120kgという圧倒的質量と機動力を兼ね備えた、最新鋭の移動要塞型QB。ジェローム・ベティスより重いQBて。とにかくデッカくて速い。おまけに重いものだから、CBあたりだとタックルされても引きずってそのまま突進したりします。射程距離は長いものの精度はイマイチだった大砲肩も、昨季はパス成功率65%という高い数字をマーク。ただおそろしく無表情な顔してるわりには精神的にモロいところあり。勝負所、逆境でのプレイと、WRモスの制御が課題。


3.CHIベアーズ (昨年7勝9敗→今年予想6勝10敗)

 プレビュウ書く際にいろいろ調べていて、一番驚いたことの一つがこのチームが昨年7勝もしてたことだったりします。開幕先発QBがコーデルさんで5割まであと一歩というのは大変な快挙です。しかし快挙を成し遂げたディック・ジャロンはクビ。新HCにSTLのDCだったラヴィ・スミスをヘッドハント。先発QBに2年目レックス・グロスマンを据え、新体制でプレイオフ進出に挑むとか挑まないとか。OCにKCでQBコーチをやっていた人間を引っ張ってきており、攻撃はリズミックパスを採用するつもりの様子です。そのわりにWRはマーティ・ブッカーTもデズ・ホワイトも放出してしまっており、エースWRはデヴィッド・テレルという惨状。リズムも何もあったものではないと思います。大黒柱LBブライアン・アーラッカーに加え、昨季リーグ2位の15サックをかましたDEアデワーレ・オグンレイエを補強した守備陣は平均以上の力があるので、ランを基調とした手堅い攻撃で行くべきだと思うのですが。ラヴィ・スミスのお手並み拝見。

QB#8レックス・グロスマン 肩:? 脚:? 心:?
 昨季、終盤3試合に出場して2勝1敗と、コーデルさんを遥かに上回る勝率をあげた新鋭。プレイはこれっぽっちも見たことありません。CHIの試合は放送する予定がないので、(プレイオフに出てこない限り)今年も見ることない可能性が高いです。生きてるうちに1回くらいは見たいと思います。


4.DETライオンズ (昨年5勝11敗→今年予想4勝12敗)

 スティーヴ・マリウッチ体制2年目の今季。サラリーキャップにたっぷり余裕があるので(詳しくは知りませんけど、余裕あるに決まってる)、オフは積極補強に動きました。その成果はSブロック・マリオン、WRタイ・ストリーツ、OGダミアン・ウッディ、CBフェルナンド・ブライアント、あとDCにCHIをクビになったディック・ジャローン。なんとも微妙。どの選手も悪くはないのですが、このチームが勝つために必要なのは頼りになるQBと、いつのまにか消えたジェイムズ・スチュワートに代わって地上戦を担うRBだと思うのですが。QBは3年目のジョーイ・ハリントンの成長に、RBは新人ケヴィン・ジョーンズ、2年目アートーズ・ピナーに期待ということのようですが、バクチの要素が大き過ぎます。RBは2人いればどっちかは活躍するかもしれませんが、QBの控えは昨季のQBレイト12.7のマイク・マクマーンと負け犬リック・マイヤー。当たりの確率は3連単並です。マイヤーに出番があるようだと、客席のファンが紙袋を被りだすこと必定。

QB#3ジョーイ・ハリントン 肩:B- 脚:C 心:C
 伸び悩む2002年ドラフト1巡QB。昨季、試合(WEEK5、SF戦)を見た時のレビュウには「機動力とレシーバーを探す能力とソフトタッチのパスに難があるような印象」と書いてありました。要するに丸っきり駄目だったわけですが、その時から成長してるのかどうか。今季はWRが強化され、言い訳できなくなりました。勝負の年。


1.GBパッカーズ(12‐4)…ファーヴはみんなのために、みんなはファーヴのために。
2.MINヴァイキングス(9‐7)…芸術は爆発なのです。
3.CHIベアーズ(6‐10)…3年前の13勝はなんだったのだ。
4.DETライオンズ(4‐12)…ハリントンとともに去りぬ。



 NFCのまとめ。地区優勝はDAL、SEA、NO、GB。ワイルドカードはPHI、ATLという予想。◎本命はGBです。毎年、プレビュウでGB推してる後藤完夫氏が今年は評価低めだったのでその裏を行った、というのが主な理由。契約でゴネていたCBマイク・マッケンジーも戻ってきましたし。○対抗はSEA。こっちを本命にしようか迷いました。アウェイでの弱さがネックですが、STLが弱ってきてるだけに同地区の対戦で星を稼げばホームアドバンテージは狙えます。▲穴にはNOかATLか、とにかく南地区を制したチームで。

◎GBパッカーズ
○SEAシーホークス
▲南地区覇者


 スーパーボウルはBUFvsGB。片方は開幕連敗スタートで既にプレイオフも怪しいですが。となると優勝はGB。ファーヴが輝きを見せます。