2004シーズン(6)NFC−西


1.SEAシーホークス (昨年10勝6敗→今年予想12勝4敗)

 ようやくプレイオフに戻ってきたマイク・ホルムグレンHC。今年は更に上を。ホルムグレンの愛弟子QBマット・禿ルベック。ダレル・ジャクソン、コーレン・ロビンソン、ボビー・イングラムというWR陣。決定力があるRBショーン・アレキザンダ。良く言えば通好み。悪く言えばド地味な面子の攻撃陣。しかしその実力は確か。昨年は得点リーグ7位ですが、16試合のうち14試合で20得点以上をマーク。得点1位のKC、2位のINDで13試合ですから。地味=突出したエースがいないということで、マークが絞り辛く、安定して得点を挙げられるのだと思われます。守備はまあ並というところですが、DEグラント・ウィストロム、CBボビー・テイラーという新加入組に、CBマーカス・トゥルファント、Sケン・"とっとこ"ハムリンの2年目DBコンビと活躍が期待できる要素も多いです。昨年はホームで8戦8勝という圧倒的強さを見せただけに、同地区の弱者どもからしっかり星を搾取してホームアドバンテージをもらえれば。

#8マット・ハセルベック 肩:A- 脚:C 心:B 毛:C-
 元はGBで鉄人ブレット・ファーヴの控えとして暇を持て余していたところ、ホルムグレンHCのSEAへの人事異動を転機に引き抜かれて先発に。ハイパーな能力はないですが、司令塔として信頼できる選手。まだ28歳で伸びしろのある中堅ですが、残念ながら毛髪はおそらく今年限りの余命と見られています。これで髪があれば結構、渋い男前だと思うのですが。ヘルメットの下で散っていった、今は亡き戦毛たちのためにスーパーボウルを目指す。


2.STLラムズ (昨年12勝4敗→今年予想8勝8敗)

 早めのワーナー切りが効を奏してプレイオフに返り咲いたSTL。しかしQBマーク・バルジャーはCARのリッキー・マニングJrに階段を外されて転落死、第2のシンデレラにはなり損ねました。昨季リーグ2位の得点(実は上述のSEAを上回る16試合中15試合での20得点以上マーク)を挙げた攻撃陣は、今年も不動のまま。というか5年前のスーパーボウル制覇時から(QB以外)ほとんど変わってないような気がします。ただ5年前はリーグ最強のバーサタイルRBとして君臨していたマーシャル・フォークが、最近はめっきり衰え、昨年はランパス合わせてかろうじて1000yに届くような状態。ランは3年目ラマー・ゴードン、ドラ1新人スティーヴン・ジャクソンへの移行も考えなくてはいけないでしょうか。そもそもラン攻撃自体を放棄するという可能性もありますが。守備はDEグラント・ウィストロムがライバルSEAに引き抜かれ、ラヴィー・スミスDCもCHIに引っ越し。アダム・アーチュレイタ、アニアス・ウィリアムスの両Sだけが頼み。怪我人もボチボチ出ており、弱体化したのは間違いなさそうです。穴を見つけられる一気に崩壊しそう。WEEK9のNE戦が怖いことになりそうです。

#10マーク・バルジャー 肩:A- 脚:B- 心:B
 カート・ワーナーのあとを襲って、"ワーナーブラザーズ"の乗っ取りに成功したやり手QB。クイックリリースから繰り出す正確なパスが武器な選手ですが、そのコントロールは徐々に乱れ気配(昨年は22TD22INT)。キャリアの落ち込み方までワーナーのあとを継ぐつもりでしょうか。この突発性INT病というのは今のところ原因不明ですが、マイク・マーツのオフェンスシステムの宿命という可能性もあります。その場合は病気の進行を見極めてまた新しいQBに切り替えなければいけないでしょう。


3.ARIカーディナルズ (昨年4勝12敗→今年予想6勝10敗)

 昨季は最少得点、最多失点。AFCのCINとともに「ドアマットの両虎」として並び称される常敗チームですが、今年は"レギュラーシーズンでは常勝"のデニス・グリーンHCを招聘。再建に向けて動き出します。そもそも良かった頃というのが思い出せないようなチームなので、「再建」という言葉が適当かどうかは分かりませんが。QBジェフ・ブレイクを放出してジョシュ・マカウンを先発に据えるなど若手中心の布陣。しかし、そのパートナーである昨年の新人王WRアンクワン・ボルディン、RBマーセル・シップが故障で長期離脱というのは痛過ぎます。グリーンも今年は我慢の年か。とりあえず終盤に向けてチーム力をまとめていってもらって、最後にまた一笑い起こしてもらいたいものです。

#12ジョシュ・マカウン 肩:B- 脚:B+ 心:C+
 昨季の最終週、MINの意識を飛ばすほどの強烈なツッコミで大爆笑を起こし、コメディアン・オブ・ザ・イヤーを獲得した若手コミックQB。プレイはろくに見たことないのでなんとも言えませんが、機動力もそこそこあるらしいということで、ジェイク・プラマーにつぐ逆転男ぶりを期待してみたいです。ただしダメだと思ったら、さっさと控えのショーン・キングに代わるように。


4.SF49ズ (昨年7勝9敗→今年予想3勝13敗)

 ものすごい早さの周期で栄枯盛衰を繰り返す名門。NEなどとは逆の意味での、サラリーキャップ時代の寵児。このオフはQBジェフ・ガルシア、WRテレル・オーウェンス、タイ・ストリーツ、RBギャリソン・ハーストと攻撃陣が根こそぎ消失。寵児にもほどがあると思います。どんなサラリーの計算してたんですか。今年の先発WRはセドリック・ウィルソンにブランドン・ロイド。誰だお前らは。RBケヴァン・バーロウ&FBフレッド・ビーズリという険悪コンビによるラン攻撃はそれなりに頼りになりますが、試合を支配できるほどでもない。LBジュリアン・ピーターソンを中心とした並の守備で、並以下の攻撃力しかないチーム相手に守り勝つという戦い方が基本線になりそうです。

#13ティム・ラテイ 肩:B 脚:B- 心:C
 寒い時代に名門の看板を背負わされることになった5年目QB。昨季、オーウェンスにいじめられて鬱になったガルシアに代わって先発を務めた時は冷静なプレイぶりを見せ、なかなかの数字を残しました。しかし今年はかわいそうなくらいWRに人材がいません。主な仕事はRBへのトスということになりそうです。


1.SEAシーホークス(12‐4)…控えQBのディルファーも毛髪に不自由な人なのがやや不安。
2.STLラムズ(8‐8)…バルジャーの病の進行如何。
3.ARIカーディナルズ(6‐10)…SFを餌に成長できるか。
4.SF49ズ(3‐13)…ラララ無人くん。