2004シーズン(5)NFC−東


1.DALカウボーイズ (昨年10‐6→今年予想11‐5、地区優勝)

 復権するアメリカズ・チーム。パーセルズ体制1年目の昨季、「いかにパーセルズでもさすがに今年はどうにもならない」とか書いたら、あっさりどうにかしてプレイオフ進出させてしまいました。あわわ。その原動力であるリーグ1位の堅守は今年も健在。成長している若手、信頼できる中堅、若手を引っ張るベテランと満遍なく揃っており、ちょっとやそっとでは崩れそうにありません。一方、オフェンスの方はQBクインシー・カーター、RBトロイ・ハンブリックではさすがにプレイオフ以上はどうにもならなかった様子。そこで補強したのは、QBヴィニー・テスタヴァーディ、WRキーション・ジョンソン、RBエディ・ジョージ。さすがパーセルズ、常人とは目の付け所が違います。「補強」という言葉の概念を覆したとさえいっていい。なにせ補強になってるかどうかさっぱり分からないのですから凄いです。キーションとテリー・グレンのWRコンビなど、パーセルズ以外で使いこなせる人間はいないです。しかしFBリッチー・アンダーソンも既にいますし、WRディードリック・ウォードなどもこっそり加入。あとはRBカーティス・マーティンとWRウェイン・クレベットが加われば完全にNYジェッツなんですけど。

QB#16ヴィニー・テスタヴァーディ 肩:B 脚:C 心:B+
 既に四十路の大ベテランQB。ただ器用さが全くないタイプなので、「ベテランらしい巧みな試合運び」などは望まない方がいいと思います。試合終盤に強く、昨年のクインシー・カーターよりもチームを勝たせる力は上。その代わり、試合序盤からTO連発したりして試合を壊す力も上。浮き沈みが激しいので、だいたいシーズン終わってみるとTDとINTの数が同じ位になります。そのムラっ気のため、長らく燻っていたところ、NYJでパーセルズに出会って開花した(1年で枯れた)という経緯あり。もう一花といきますか。


2.PHIイーグルス (昨年12‐4→今年予想11‐5、ワイルドカード

 3年連続カンファレンス決勝での敗退という偉業達成。さすがにもう終わったかと思いきや、このオフはWRテレル・オーウェンス、DEジェヴォン・カースという超大物を補強。特にWRオーウェンスはQBドノヴァン・マクノブ待望のエースとしての存在感があるWR。エースとして以外でも存在感があり過ぎるのが難なわけですが。これでマクナブのワンマンからオーウェンスとの二頭体制へ移行して、チームが一丸となれるかが鍵。オーウェンスにいじめられたマクナブが家で飼い猫に話しかけ始めるようだと、スーパーボウルどころかチーム崩壊を迎える危険も。また2大補強の影でRBデュース・ステイリー、CBトロイ・ヴィンセント、ボビー・テイラー、LBカルロス・エモンズなどなど先発メンバが激しく流出。特にステイリーが抜け、コレル・バクハルターがクラッシュしたRBは、残るはブライアン・ウエストブルックのみというクライシス。ウエストブルックて。パスキャッチが上手くてRBローテの一角としては重宝するRBですが、このタイプは先発固定起用すると苦しいのは昨年のPIT、WASなど見ても明らか。結局、チーム戦力としてはプラスマイナスゼロくらいか。となると、3度あることは4度あるということに…。

QB#5ドノヴァン・マクナブ 肩:B+ 脚:A 心:A-
 PHI攻撃を一人で支えてきたカリスマ黒人QB。ずば抜けた脚力をもち、勝負を決めるプレイができます。走りながらでもレシーバーを見つけて正確なパスを通すことが出来るので、抑えることが非常に難しい選手。走りながらの方がポケットに留まってる投げるよりも正確な気さえします。ただ、そのプレイスタイルゆえ(最近はスクランブルはだいぶ減りましたが)怪我が多く、プレイオフの頃にはガタが来て力を出し切れないことも。WRオーウェンスを得て、真価が問われる年。


3.WASレッドスキンズ (昨年5‐11→今年予想7‐9)

 スティーヴ・スパリアーによりすっかり核戦争後の世界と化したWASを再建すべく、死後の世界からHCジョー・ギブスを召還。今度は黒魔術です。エコエコアザラク。まずは再建の手始めとして、死の灰に覆われたラン攻撃を回復すべく、DENからRBクリントン・ポーティスを獲得。CBチャンプ・ベイリーとの交換ならかなりお得な感じ。しかしよく考えてみると、このチームにはそもそもスティーヴン・デイヴィスという素晴らしいRBがいたわけですから。スパリアーがデイヴィスを放逐しさえしなければわざわざベイリーをトレードで失う必要もなかったのです。スパリアーの残した負の遺産清算するためにご苦労なことです。元々、タレントはかなり揃ってるチームだけに、あとはギブスがどれだけ勝ち方を覚えさせることが出来るか。この2年ですっかり忘れてると思われるので、ちょっと時間掛かるかもしれません。

QB#8 マーク・ブルネル 肩:B 脚:B 心:B
 JAXで長いことエースの座を張っていた、キム・クリスターズ似のレフティー。元々は走力を武器とした優秀なQBでしたが、虚弱OLのためにタックルを受けまくり、体はボロボロ。かつてのスピードはすっかり失われてしまいました。確執していたトム・コフリンの陰謀に殺されたのだという噂もあります。新天地で復活なりますか。とりあえずコフリンのNYGにだけは負けられません。


4.NYジャイアンツ (昨年4‐12→今年予想6‐10)

 昨年はWEEK10からまさかの7連敗。TEジェレミー・ショッキーの怪我とともに沈没してきました。家長ジム・ファッセルが粛清され、新たに老トム・コフリンの軍事政権が誕生。緩んだ規律を窒息せんばかりに締め直して、復権を目指します。どん底まで落ち込んだチームを短期で立て直すには悪い選択ではないかもしれません。というか、短期で結果出さないとショッキーかマイケル・ストレイハンあたりがクーデター起こす可能性が高いです。注目はなんといってもカート・ワーナーとイライ・弟マニングのQB争いなわけですが、どちらにしろOLを立て直すのが先だという気もします。気付いたら第3QBジェシパルマーが出てる、なんてこともあり得ない話ではありません。

QB#13 カート・ワーナー 肩:A〜C 脚:B 心:B+
 MVP2回、99年シーズンスーパーボウル優勝など、ハンバーガーショップ店員から頂点に上り詰めた元シンデレラQB。しかし3年ほどで一生分の勝ち運を使い果たしてしまいました。かつては狭いところにも果敢を通り越して強引なくらいにパスを投げ、かつそれを通していたのですが、最近はどこに投げたものかとウロウロ迷った末にINTもしくはファンブルという姿ばかりが目立つように。解けた魔法の力が戻ることはあるのでしょうか。



1.DALカウボーイズ(11‐5)…今年は猛獣使いのパーセルズ。
2.PHIイーグルス(11‐5)…「4度目の正直」は語呂悪い。
3.WASレッドスキンズ(7‐9)…えんじ色のベンチャーオーナーはろくでもないの例。
4.NYジャイアンツ(6‐10)…ショッキー大作戦。