2004シーズン(4)AFC−北

 NFLプレビュウ、AFC最後はいろんな意味で寒い風が吹いている北地区。私の順位予想は偶然にもタカクさんのそれとは丸っきり正反対になったりしてます。これであと半分。まだ半分。


1.CLEブラウンズ (昨年5‐11→今年予想10‐6、地区優勝)

 混迷のAFC北地区、その本命にはおそらく最も前評判低いCLEを敢えて推したいと思います。とにかく大きいのはQBジェフ・ガルシアの獲得。昨年までのティム・カウチかケリー・ホルコムかという、焼死か溺死かの二択を迫られていたようなQB問題が解決しました。ガルシアもそこまで優秀なQBか?と疑問に思う向きもあるかもしれませんが、前任者がGBで第3QBの座すら確保できずにクビになるようなQBだったこととの落差を考えれば、効果絶大な補強といえるのです。ありがとうカウチ。更に楽しみな存在が今年のドラ1TEケレン・息子ウィンズロー。この大口叩きがジェレミー・ショッキー、トッド・ヒープを超えるインパクトを与えるような活躍を見せれば混戦を抜け出すことも可能。最低でも600yレシーヴ、5TD、罰金5万ドル程度はやってもらわないと困ります。守備は同地区の中ではかなり見劣りしますが、そんなにボコボコやられるほどの攻撃力を持ったチームもいないので何とかならないこともないはず。昨年の1TD差以内ゲームで2勝7敗という数字を逆転すれば地区優勝。

QB#5ジェフ・ガルシア 肩:B+ 脚:A- 心:B+
 名門SF49ズで、突如倒れたスティーヴ・ヤングの後を継いで先発を張っていた小さな巨人NFLから声が掛からなかったためカナディアンフットボールで長いことプレイしてたり、SFで4000y、30TDなどの素晴らしい数字を残しながらWRテレル・オーウェンスに能無しネズミ呼ばわりされたりという苦労人。引退後はハンバーガーショップの店員かタイル職人です。小柄ですがその分、機動力があり、決定力もある。プレイオフではともかく、レギュラシーズンでは計算できるベテラン。潜在能力はありそうだけど放っておくといつまでも眠りっぱなしなCLEの若いWR陣の目覚まし役も期待。


2.PITスティーラーズ (昨年6‐10→今年予想8‐8)

 錆びが目立ってきた鉄の男たち。PITといえば鉄の守備と力押しのラン、のはずでしたが、守備は相手への圧力に欠け、ラン攻撃にいたってはリーグ31位、下から2番目という信じ難い数字。ラン低迷の要因は、"ザ・バス"RBジェローム・ベティスポンコツ化、マイク村木OCの「娯楽性に欠ける攻撃はリストラ」という経営方針、発泡スチロールで出来たオフェンスライン。このオフはRBデュース・ステイリーの補強、マイク村木の追放でうち2つは解決(ステイリーが正解かどうかはかなり怪しいところですが)。あとはOLの踏ん張り次第。ランの穴は開けられず、QBは守れずでは、どれだけスキルポジションにタレント揃えても勝てません。課題のもう一つ、パス守備についてはCBドゥエイン・ワシントン、Sブレント・アレキザンダーを放出するという素晴らしい補強。どうせならCBチャド・すっとこスコット、ドゥシェイ・タウンゼントあたりも根こそぎクビにしたらすっきりしてもっと良かったのですが。攻守ともにコーディネイタを交代して臨むシーズン。これで駄目ならいよいよビル・カウアーHCのヒゲが飛ぶ。

QB#8トミー・マドックス 肩:B 脚:C 心:B-
 2002年カムバック賞QBも、昨季は進まないランと錯乱気味のマイク村木のプレイコールと相手DFを素通りさせるOLのおかげでノイローゼ。なんとか生還しましたが、OLを殺人未遂で起訴出来ないか検討した方が良いと思います。タイミングパスを得意とするパサーですが、プレッシャを受け続けて完全にタイミングが狂ってました。カート・ワーナーもそうですが、このタイプのQBが一度狂うと調律するのは非常に難しい。おまけに、今年のドラ1新人QBベン・ロスリスバーガーにまでプレッシャを受けるという。今のうちに電話帳で精神病院探しておくことを勧めます。


3.BALレイヴンズ (昨年10‐6→今年予想7‐9)

 NFL最凶の犯罪組織。このオフにはチームの大エース、2000yラッシャー様RBジャマール・ルイスが麻薬売買で捕まるという壮挙で、箔をつけてくれました。やっぱりBALのエースたるもの前科の一つは持ってないと。しかも麻薬所持でなく売買というところが素敵過ぎます。ルイスはお勤めに行くのか、ショバ荒しで組織に消されるのかは分かりませんが、たとえお咎め無しで娑婆に出てきたとしても元々、隔年選手の気があるだけに今年はまともには働くかどうか。となると残るは大量破壊兵器の調査並に進まないと評判のパス攻撃。QBカイル・ボウラーではどうにもならないのは明らかだと思うのですが、控えには肩に故障を抱えるアンソニー・ライトと心に故障を抱えるコーデル・スチュワートさんしかいませんので、誰が出てきてもどうにもなりません。凶悪犯LBレイ・ルイス率いる守備は今年も殺意に満ち満ちて大迫力。この近寄り難い殺気がある限り、大崩れは考え難いです。しかし昨年は2000yラッシャーが出たのに10勝止まり。なら今年は?

QB#7カイル・ボウラー 肩:C 脚:C 心:C-
 パスのコントロール、脚力、判断力と満遍なくアレでナニなQB。基本的に身長195cm以下のレシーバーは見つけられないので(遠視で)、もっぱらTEトッド・ヒープにばかりパスを投げることになります。ちなみに控えのコーデルさんは、肩:C 脚:B+ 心:C-。脚力がある分、ボウラーより秀でているような気もしますが、コーデルさんは近眼で遠くが見えないためもっぱら地面に向かってパスを投げるのでどっちにしろアレです。


4.CINベンガルズ (昨年8‐8→今年予想7‐9)

 俊英マーヴィン・ルイスHCに率いられ、昨季はダメ虎超久々の5割復帰。今季の更なる飛躍が期待されるシンデレラ候補。ですが、私はあえて消します。昨年の躍進の最大の立役者は、3500y、26TDを投げてカムバック賞に輝いたQBジョン・キトナ。しかし、マーヴィン・ルイスが早々に今年の先発に指名したのは、2年目カーソン・パーマー。ドラフト1巡1位指名選手をいつまでもベンチに置いておくわけにはいかないということでしょうし、昨年から予定してた先発昇格なのでしょう。しかし、誤算なのは昨年チームがプレイオフ寸前というところまで行ったために、パーマーの実戦経験はゼロのままシーズン終わってしまったこと。キトナ、頑張り過ぎ。本来ならキトナはつなぎ役で、シーズン終盤の消化試合にはパーマーを試運転させるつもりだったはずです。おまけにキトナは怪我もしないし、薬もやらないので、落ち度もないのにかなり無理矢理な感じで控え降格させる羽目に。キトナ、空気読め。パーマーとしても、そんなキトナの代わりに先発昇格したからには昨年以上の成績を、と言われても酷な話。今年は、昨季にやり損ねたパーマー修行のために、飛躍ではなく我慢の年になると見てます。とりあえず、WRチャド・ジョンソンの金歯に噛みつかれないように頑張れ。

QB#9カーソン・パーマー 肩:? 脚:? 心:?
 ハイズマン賞受賞者、2003年ドラフト1巡1位指名の大器、大型強肩クイックリリースの豪腕パサー。という通りいっぺんのことしか知らないので、何も書きようがありません。相棒のWRには、いかにもキーションの親戚というビッグマウスのセレブ男チャド・ジョンソン。ジョンソンがどんどんTDセレブレーションを披露できるよう(そしてどんどん罰金を払うよう)、パーマーとのホットライン形成には期待がかかります。


1.CLEブラウンズ(10‐6)…ハイライトはWeek7、PHI戦。
2.PITスティーラーズ(8‐8)…マドックスにトランキライザーを。
3.BALレイヴンズ(7‐9)…ジャマール・ルイスにコカインを。
4.CINベンガルズ(7‐9)…ジョン・キトナにヒ素を。


 AFCのまとめ。地区優勝は、NE、KC、IND、CLE。ワイルドカードに、BUF、NYJという予想。今年はだいぶ大人しめの予想で、昨年のプレイオフチームが3つも含まれています。当社比200%増。

 そしてAFC本命は今年も◎BUF。意地です。意外としつこい性格してます。対抗も同じく○NE。プレイオフでここを倒せるチームがいるかというと。ちょっと思いつきません。INDの砕け散り方を見ると、追い詰めるとしたらやはり守備型のチームだと思いますが、TEN、BALは今年は怪しいと見てるのでなんとも。やはりBUFしかいますまい。ブレッドソーの復讐劇期待。穴には、レフトウィッチが大成した場合のJAX。

◎BUFビルズ
○NEペイトリオッツ
▲JAXジャガーズ