2003シーズン(完) 〜NFC北地区・総評〜

  • 独裁からの解放は…NFC北地区

 昨年はGBが12勝、残り3チームは合わせて13勝。そのGBもプレイオフで初戦敗退。NFC網走番外地

 GB打倒の可能性が唯一ありそうなMIN。総合2位というリーグ屈指の攻撃陣を持ちながら、これまたリーグ屈指の脆弱さを誇る守備陣とQBカルペッパのTO連発でわずか6勝に終わった昨年。守備陣が弱いのはもうこのチームの伝統なので良いのです。良くはありませんけど。問題はカルペッパのTO。その要因として挙げられているのが、昨シーズン前に発表した、エースWRモスに集中的にパスを投げるオフェンス「ランディ・レシオ」。WRモスはリーグトップクラスの選手ですから、オフェンスの中心とするのは何も間違ってはいないと思います。ただ、わざわざ言うことはなかった。義務でもないのに試合前に先発メンバーを発表するどこかの代表監督じゃないんですから。相手守備陣に狙い目を教えてどうする。今年は「ランディ・レシオ」は止めたみたいですから、TOの減少が期待できます。QBカルペッパはこのオフに10年1億200万ドルという、明かに不相応な超大型契約を締結。ただ、NFLでは10年契約を結ぼうがその価値がないとなると平気で次の年に放出したりします。ブレッドソーとか。QBカルペッパにとっては「ガタイのでかいコーデル」ではないことを証明しなければいけない勝負の年。去年リーグ1位をマークしたラン攻撃は重量ラインと軽量RBベネットが中心。ベネットは1296ヤードという数字の割にTDが5と少ないのが気にかかりますが、ゴール前のパワー勝負の場面では今年もFBカルペッパ(10TD)が走ります。雑誌に「壊滅」とまで書かれているスペシャルチームが気になりますが、そもそもスペシャルチームの出来で勝敗が左右されるような繊細なチームでもありません。去年:6勝10敗→今年予想:10勝6敗、NFC北地区優勝。

 鉄人ファーヴとの蜜月、その終焉に怯えながらも「もう一丁」を期待するGB。昨年のプレイオフ、新人類QBヴィックの前にランボーフィールドで喫した無残な敗北。12勝4敗の好成績で臨んだプレイオフだっただけに衝撃でした。何より痛いのが「ランボーフィールドなら負けない」という確信を失ってしまったことか。去年は攻撃、守備ともに12位。バランスが取れてるとも言えるし、決め手に欠けるとも言えます。このチームに「決め手に欠ける」という言葉ほど似合わないものもないのですが。長い間、活躍してるため年がいってるようで33歳と意外とそうでもないQBファーヴ。その勝負強さは依然としてリーグ1であることに疑いの余地はありません。ただ、その周囲を固めるWR陣やシャーマンHCからはこれっぽっちも勝負強さを感じられないのです。新エースとして合格点の活躍を見せたWRドライヴァはともかく、グレンが抜けた2番手以下は昨年300ヤードそこそこのウォーカーとファーガソン。大丈夫ですか。RBグリーンにはパスキャッチで更に活躍してもらう必要がありそうですが、酷使による怪我だけは避けなければいけません。ラン守備は怪我人の影響もあって昨シーズンは終盤に進むにつれ弱体化。CBマッケンジィ、Sシャーパーがいるセカンダリは問題ないですが、同じく健康であることが求められます。ランボーフィールドの神通力を失った今年、GBに待ってるのは天国か地獄か。去年:12勝4敗→今年:8勝8敗。

 昨年は怪我人続出、一足お先に天国から地獄へ落ちたCHI。一昨年の躍進を考えれば、怪我人さえ戻ればと期待したくなります。が、このオフではQBにコーデル・スチュワートを獲得してしまいました。ワゴンセールで安かったので思わず手に取ってしまったのでしょう。期待したくても期待したくなくなります。あまりに虚弱なQBミラーに嫌気が差したのは分かりますが、よりによってそこに行きますか。今年ドラフト1巡指名のQBグロスマンがものになるまでの繋ぎなのかもしれませんが、それならそれでもうちょっとルーキーが見て勉強になるようなQBにすれば良さそうなものです。反面教師としてくれということかもしれません。昨年24位に終わったパス攻撃の更なる低下が確実視されます。リーグ最低に終わったラン攻撃は、昨年1回平均3,4ヤードに終わったA列車RBトーマスに今年も頼らざるをえないようです。こちらも大きく後退した守備は、シカゴの星LBアーラッカがいる分、期待感はあります。アーラッカにはランもパスも止めて、ついでにパスも投げてもらうくらいの活躍が求めれます。倒れます。私の描いたフローチャートによると、コーデル破竹の開幕6連敗→チャンドラーに交代して中盤は持ち直す→が、チャンドラーはもちろん怪我に倒れる→終盤はグロスマンの経験の場、ということになっています。去年:4勝12敗→今年:6勝10敗。

 強豪チームからここ数年であっという間にドアマットに成り下がったDET。ここ2年間で5勝と小豆相場並の急降下でした。今年はマリウッチをHCに迎え、一発大儲けではなく堅実な投資で再建を図ります。とはいえラン攻撃29位、パス攻撃25位、ラン守備17位、パス守備30位いう全科目赤点の真っ赤な状況ではどこから手を付けていいものか。「分からないところが分からない」状態です。再建は守備からというのが定石ですが、マリウッチの場合はパス攻撃から立て直してくるかもしれません。幸い、昨年ドラフト1巡のQBハリントン、今年同じく1巡2位と高順位で指名したWRロジャースと、若い人材は揃っています。特にWRロジャースには1年目からバシバシ活躍してもらって、落球王ハキームが先発を務めるような不健全な状況を改善してもらわなければなりません。ラン攻撃は8年のキャリアで全試合出場が2回しかないRBスチュワートの健康がカギ。ただスチュワートが健康だからといってラン攻撃が劇的に向上するかというと、それほどのこともありません。このポジションでも若手を発掘したいところです。若手を多用することで、下手すると昨年より更に勝ち星が減るようなこともあるかもしれませんが、DETのファンはタイガースのおかげで弱いチームには慣れているので大丈夫でしょう。去年:3勝13敗→今年:2勝14敗。

1位 MIN(全地区の中で最も思い切った予想)
2位 GB(雪と共に去りぬ)
3位 CHI(コーデルが投げてもアーラッカが投げても大差ないと思う)
4位 DET(どうせ負けるなら0‐10より20‐30で負けなさい)


 大幅に予定より遅れましたがこれで全地区のプレビュウ終了。NFCは地区優勝がNYG、SEA、TB、MIN。ワイルドカードはATL、CARの南地区2チーム。今年の予想は、読めば分かると思いますが「バイオリズム」を重視してます。このチームは上昇傾向にあると思えば期待を込めてプレイオフ進出予想したり、逆に停滞、下降気味のチームはばっさり切りました。前者の例がBUF、KC、CAR、後者がOAK、PHI、GBなどです。
 それでもさすがに外せなかったのがTB。2年連続スーパー制覇の呼び声も高いです。しかしよく考えてください。QBブラッド・ジョンソンは2連覇などという偉業を達成できる器でしょうか。否。と、それだけの理由でTBは消します。NFCの本命◎にはNYG。際立った補強はこのところないのですが、頼りになるベテランと、経験を積んで良い感じで成長して来た若手がマッチしたチーム力は今がピークでは。STの強化で四角はありません。TB消しと書きましたが、スーパー進出するところまではあるかもしれない感じは否めないこともない。と弱気に対抗○はTB。単穴▲には、活躍すれば盛り上がるという期待も込みでATLを。AFCに比べると大分まともな予想。さすがにMINだのCARだのは厳しいですから。

◎NYジャイアン
○TBバッカニアーズ
▲ATLファルコンズ

 スーパーボウルはBUF−NYG。図らずも因縁の対決。本当はちょっと図りました。この両チームの対戦となれば、戦力云々よりどちらのキッカーが外すかという問題になるわけです。2チームの因縁ということならBUFが外しそうですが、去年のことを考えればNYGが外してもおかしくない。難しいところですが、歴史は繰り返す、20‐19でNYGがスーパー制覇とします。

  • タカクさんの予想

鉄人とその餌食たち。

ポートボールチームとして唯一NFLに加盟しているヴァイキングス。去年の予想でモスに投げれば勝つ、ということを書きましたが、悪名高きランディ・レシオ(攻撃の90%をモスに任せる)によって崩壊。やりすぎです。それだけ攻撃を集中すれば、ドーセットでも守れます。いや、守れない。カルペッパーは大型契約を手に入れたようですが、それほどの価値があるとはとても思えません。あまりにもミスが多すぎます。野球で言ったら、マイク・キャメロンに4番を任せるようなものです。相変わらずDFはしおしおなので、プレーオフも難しいのではないでしょうか。

肥満HCマリウッチを招聘したライオンズ。ここはNFC随一の性能を誇るドアマットです。もう誰が踏んでもよく拭き取る。期待は新人WRチャールズ・ロジャースですが、投げるのがハッセルベック。チェルシーFWのハッセルバインクとは違う人ですが、まあどっちが投げても大差ないでしょう。ロジャースもえらいところにきたと思っているかもしれません。DFもアレな感じなので、まあ今年は再建期でしょうか。そう言い始めて5年くらい経ってますけど。

そろそろカーテンコールが近付き始めている鉄人。それがハッピーエンドになるか、バッドエンドになるか。去年のプレーオフでヴィックに子供扱いされた守備陣の建て直し次第でしょう。ファーヴは今年も投げますし、RBグリーンは走ります。プレーオフは固い。そして、そこを勝ち抜くだけのプラスアルファがここ数年欠けているのも事実です。プラスアルファが何になるのかは状況次第ですが、俺はやはりファーヴに期待したい。確かに安定はしていますが、ここ何年かは以前の覇気と言うか凄みが消えているような気がします。まだ枯れる年ではない。

さて、最後になりました。固いチームカラーとは正反対の、カウアー並のギャンブルプレイを行いました。GMが。まさかのコーデル・スチュワート獲得。こけました。俺が。スラッシュと呼ばれたのも今は昔。いまや単なるコントロールの悪いQBです。機動力は魅力ですが、判断があまりよくないのでマクナァブやヴィックほどの効果をもっていません。恐らくINTを連発して、DFに負担をかけることでしょう。アメリカ一のフットボールガイ・LBアーラッカーは今年も長板橋の張飛並の奮闘を強いられるでしょう。でも、負け戦。

1.パッカーズ プレーオフはこの地区ならノープロブレム。そこから先はドラクエ並の強敵目白押し。
2.ヴァイキングス 負け越しで2位。もうやめろよあんなQB。
3.ベアーズ スチュアートが万が一覚醒したとしても、まあ無理でしょう。論外。
4.ライオンズ ベアーズ以上に論外。1週目のアリゾナとの決戦で16敗するか15敗するかが決まります。

ワイルドカードイーグルスファルコンズ
◎はジャイアンツ。湾岸ボウルのときみたいにどっかにブッシュが攻め込めば可能性は高い。
対抗はバッカニアーズイーグルスだと思います。大穴でシーホークス

さて、予想終わり。スーパーはジャイアンツVSスティーラーズスティーラーズの勝ち。
そろそろカウアーに栄冠を。