2003シーズン(5) 〜NFC東地区〜

  • 名将ならし…NFC東地区

 帰ってきた名将、大学に帰りかけてる名将など、とにかく話題性の高いヘッドコーチが揃う地区。

 去年はプレイオフで柔道の篠原並の判定の悲劇を味わったNYG。そもそも24点リードしてて引っくり返されるなよとか、まともなスナップしてFG決めてれば何の問題もなかったとか、篠原に比べると同情の余地はかなり少ない気もしますが。このオフには補強のほとんどスペシャルチームに費やしているあたりに、チームの無念が感じ取れます。去年は攻撃6位、守備9位と高いレベルでバランスの取れたチーム。なかでも攻撃の中心を担う、サンダーだかライトニングだか、いつも分からなくなるRBチキ・バーバーは好きな選手の一人です。パスキャッチが上手い万能タイプで、去年はラン、パスキャッチ併せて1984ヤードと2000ヤードに迫る活躍。ロン・デイン(どこ行ったんだ)との比較でスピード型とされてますけど、あまりスピードで千切ってロングゲインというイメージはないです。その代わり、中央のパワーランでもホールを見つけるのが上手いのか、意外とこまめに稼いでくれるし(だからデイン要らない)、パスでも安全弁として抜群の機能性を誇るため、攻撃に安定性をもたらしてくれます。今年は同じく万能バックのレヴェンス(これも好きな選手)も加入したことで、シーズン通してフレッシュな活躍が期待できます。パス攻撃は、トゥーマー、ヒリアードというWR陣は可も不可もないという感じですが、そこに前述のチキと暴れん坊という呼称がすっかり定着したTEショッキーが加わることで、的を絞らせません。失ヤード9位ながら失点3位という決め手を与えない守備も粘り強い。今年は大チャンス。去年:10勝6敗→今年予想:11勝5敗、NFC東地区優勝。

 明かに去年優勝する気まんまんだったPHI。全てを狂わせたのはエース、QBマクナブの怪我。それでもQBコイ・デトマ(これまたすぐ怪我)だのフィーリィだのでプレイオフに進んだリードHCの手腕は見事です。が、プレイオフでは故障から戻ってきたマクナブが力を発揮出来ず、お得意先だったはずのTBに完敗。そしてこのオフには守備陣を中心に戦力が止めどなく流出。ああ、やっぱり優勝するとしたら去年だったんだなとPHIのファンは悲しむことになりそうです。依然としてセカンダリにはリーグトップクラスのタレントが残ってますし、マクナブさえ元気なら今年も大崩れはないとは思います。ただ、こういう明らかにバイオリズムが下降線、「調子は良くも悪くもありません」(ダビスタ)とという状態にあるチームがビッグタイトルをものに出来るとも思えません。去年:12勝4敗→今年:9勝7敗。

 こちらは「カイ食いが落ちているようで、調子は良くありません」WAS。お任せモードにして放っておいたら、一流馬のはずがいつのまにか根性なしのローカル馬にされてしまったようです。まあ、ここはノーブ・ターナーの頃から勝負根性だけはなかった気もしますけど。このオフもNYJから4人まとめて引き抜いたと思ったら、パス偏重志向のチームには不要とばかりにエースRBデイヴィスをあっさり放出するなど、周囲の反感を買う動きを見せてくれました。しかし、やっぱり今年もファン&ガンを目指すつもりなんでしょうか。デイヴィスに代わる先発RBキャニデイトは、オプションとして使うならともかく、小型なだけに先発として1年通して働けるかは未知数な部分が大き過ぎます。WRにはNYJから大枚はたいてコールズを取りました。まあ並の選手だと思うんですけど。そしてQBにはロブ・ジョンソン獲得。そんなに勝ちたくないですか。ただ、今年の移籍市場に売り出されていた主なQBというと他はグリーシー、プラマー、そしてコーデル。誰を選んでも結果は同じという気もしないではないです。LB陣は最強クラス、ベイリーのいるCBもハイレベル。だけどHCはスパリアー。そしてマーヴィン・ルイスはもういません。本当、これでHCがダンジーだったら最強守備を作ってくれると思うんですけど。無理。去年:7勝9敗→今年:6勝10敗。

 ツナ・パーセルズを迎えて、エミット・スミスを放出。ゼロからの再建を目指すDAL。いかにパーセルズでもさすがに今年はどうにもならないでしょう。QBは、1年経っても元野球選手という以外何一つ伝わってこないハッチンソンと、そこそこ機動力はあるらしいという以外何も知らないカーターという、昨年と同じ布陣。おそらく、本命のQBはある程度チームが出来あがってから、ベテランFAかドラフトで有望若手(あるいは両方)を獲得するつもりなのでは。RBはハンブリック。もう全く知りません。FBのアンダーソンに走ってもらった方がいいかもしれません。WRはそれなりの数字は残すけどそれなり以上の数字は残せないギャロウェイと、ドナルド・ドライバーにGBを追い出されたグレン。パスもアンダーソンに取ってもらいましょう。基礎作り=大幅リストラに向けて準備の1年。去年:5勝11敗→今年:4勝12敗。

1位 NYG(チキ、2000ヤードでMVP)
2位 PHI(ここも去年TBにトラウマが)
3位 WAS(同情するから金をしまえ)
4位 DAL(負けても鷹揚に構えるツナ)

  • タカクさんの予想

2強1弱1論外

えー、レッドスキンズです。毎度毎度すっとこどっこいなことをしてくれて、俺的には大変おいしいのですが。しかし、散々色々補強しときながら、肝心のQBは手付かず。面白すぎです。ファン&ガンとやらは恐らくフラット3並の不可能戦術だと思われます。となると、頼りはDFですが、コーディネイターのマーヴィン・ルイスが離脱。面白すぎです。ガードナーは抜けましたが、面子は揃っているだけに惜しい。って、ブルース・スミスまだ現役かよ。面白すぎです。

ツナ・カウボーイズ。遂にきましたマグロ親父。まあ今年は再建です。いつものようにQBを取らなかったのは意外でしたが、恐らく毎度のように重厚な守備の構築とランアタックによるボールコントロールを主眼とした手堅いフットボールを展開するつもりでしょう。しかし、パーセルズ親父とジェリー・ジョーンズがうまく行くのか。ナベツネと星野を組ませたようなもんですが、大丈夫なのでしょうか。二人の罵声の板ばさみにたたせられるGM萌え。

さあ、今年の優勝候補(俺の中で)ジャイアンツです。去年は不思議な判定で負けましたが、地力は充分。気違いTEショッキー、元アル中QBコリンズ、犯罪者顔のDEストレイハンと役者は揃っています。真面目な話、トータルバランスではNFCでも屈指。今までは真面目な話じゃなかったのか。ティキ・バーバーの活躍次第ではスーパーも見えてくるのではないでしょうか。シーホーンが抜けたのは非常に残念ですが、戦力的には何ら問題がないと言うのが悲しいのやら嬉しいのやら。HCファセルがどこまで思い切れるか、だと思います。一押し。

さて、ピークの年を見事にすかされたイーグルス。主力がばしばし出て行ってます。ナイスガイのマクナァブの負担がまた増えていきそうな予感。骨折すんなよ。ただ、彼はヴィック、マクネアなどと共に、一人でもスーパーに連れて行ける数少ない人間の一人だと思いますので、あなどれないでしょう。ダグラスが抜けたのは痛いですけど、相変わらずDFは硬そうですし。あ、今年からヴェテランズスタジアムじゃないのか。そうかぁ。

1.ジャイアンツ 3年前の奇跡を再び。とりあえず復讐でSFを屠れ。
2.イーグルス マクナァブの一人舞台。踊れや踊れ、足を止めたら死んでしまう。そういう運命の選手もいるということです。
3.レッドスキンズ シーズン後までスパリアーの首が繋がっていたら、拍手。
4.カウボーイズ 今年は勝つ気はさらさらないと思います。来年、再来年は怖い。