2003シーズン(2) 〜AFC西地区〜

 

  • 何が出るかな何が出るかな…AFC西地区

 オフェンス優位のチームが揃い、危険度では東地区を遥かに上回る無法地帯。AFCのガザ地区

 3年目の魔法使いか、白髪のテロリストか。ディック・ヴァーミール就任3年目のKCが片道燃料の特攻部隊と化して、STLでの大爆発再現を狙います。マイク・マーツ抜きでどれほどのものかと思われたヴァーミールHCですが、2年目でリーグ最多得点を叩き出してみせる荒業を披露。並のジジイではありません。華々しいオフェンスの影で守備は最多失ヤードを記録してますが、そこら辺りが「荒業」の荒業たる所以ですから。このオフに守備も多少補強しましたが、ヴァーミールが本気で守備の整備とか考えてるかどうか。取られるより取ればいいのです。STLの頃に比べると、QB、WRはかなり落ちますが、RBホウムズはマーシャル・フォークにも引けを取らず、なにより空飛ぶTE、ゴンザレスがいます。あとはQBグリーンが怪我さえすれば、って去年も言った気がする。3年目の奇跡をもう一度。去年:8勝8敗→今年予想:14勝2敗、AFC西地区優勝。

 ここ2年、私がこの地区の本命に予想していたのがOAKでもDENでもなくSD。かなりノリとか勢いに任せた予想であったことは否めませんが、今年こそは真面目にプレイオフ進出の期待が出来そうです。チームの中心は大ブレイクした、フルネームで呼びたくなる男、RBラディニアン・トムリンソンと先発1年目としては合格点の成績を残したQBブリーズの01年ドラフトコンビ。1巡1位指名権=マイケル・ヴィックを手放してまで獲得しただけのものがありました。話題性では遠く及びませんが。QBブリーズは昨シーズン通して先発を務めた経験プラス大型WRボストンの加入と「のびしろ」たっぷり。ペイトン・マニングのようなソフォモア・インパクトが期待できます。RBトムリンソンもNo1ブロッカーFBニールを得て、更なる飛躍がありそう。ただし希望に溢れる攻撃陣に対して、柱のLBセイオウを失った守備陣は不安一杯。特に昨年リーグ最下位に終わったパス守備が凄いことになってます。ロースター表のDBのところを見ると。エントリー年欄に、02年、03年という数字がズラっと。壮観ですらあります。同地区にやたらパス投げそうなチームが揃ってるだけに、DB陣の薄さが致命傷にならなければいいんですが。しかし、この2年本命にしてたのに今更このチームは外せません。血をどくどく流しながらでもなんとか勝ってもらいます。去年:8勝8敗→今年:11勝5敗、ワイルドカード

 スーパーボウルで大きなトラウマを負った昨年のAFC王者、OAK。後遺症なのか、老衰なのかはっきりと分からないまま、謎のスランプに苦しむシーズンを過ごすことになると思います。なにせプレシーズンマッチがえらいことになってます。4試合で36点しか取れてません。去年なら1試合で取ってたような得点です。しかも相手はSTL、SF、MIN、DALと守備が良いとはとても言えないチームばかり。やばいです。ベテラン揃いのチームも、昨年は「腐りかけが一番ウマイ」という感じでしたが、今年は所々からすっぱい香りが漂ってくるかもしれません。下降線に入ってるのは確かなだけに、昨年以上というのは考えられないところ。なにより、アンソニー・ドーセットがいなくなったので魅力を感じません。去年:11勝5敗→今年:9勝7敗。

 スーパーボウル2連覇を果たして以降、どうにも不安定な成績が続くDEN。不安定さの主な原因は、エルウェイの跡目を継いだQBグリーシーの健康状態、というか不健康状態にチームがもろに左右されるから。シャナハンHCもついにブチ切れ、ここまで我慢強く育ててきたグリーシーをクビ。代わりに獲得したのが、健康状態に左右されず常に不安定なジェイク・プラマー。何か間違ってる気がするのは私だけではないと思います。攻守のバランスは取れており、爆発力もあるだけに、QBプラマーが不安定さを抑えて持ち味の勝負強さを発揮するようなことがあれば、スーパーボウルも十分狙える力は秘めています。ただプラマーは不安定だからこそ勝負強いのだという気もしますが。たぶん、無理。去年:9勝7敗→今年:8勝8敗。

1位 KCチーフス(赤いシンデレラたち)
2位 SDチャージャーズ(フルーティの出番はあるか)
3位 OAKレイダーズ(トラトラウマウマ)
4位 DENブロンコスDead or Alive

  • タカクさんの予想

高密度の殺戮空間。

昨年結局1試合も見てないチーフス。しかし、毎試合血みどろの殴り合いを続けていたようで、スコアだけ見ても相当笑えるチーム。さて、恐怖のヴァーミール3年目シーズンの始まりです。猛威を振るったハイパワーオフェンスは健在。オフェンスでやることなくなったので、しぶしぶ多少守備をやろうとしてるので、今年は勝ち星上積みできそうです。レイダーズとの殴り合いは必見。ところで、ゴンザレスのNBA挑戦は?

さて、AFCチャンピオンのレイダーズ。SBではあまりのアレな出来にショック死寸前でした。Cが失踪とか相当笑える。今年はもう無理、かと思いきや、ここのオフェンス止められるのはタンパベイくらいしかいないと思われるので、結構勝つのではないかと。面子はほぼ確保。反則したら腕立て、という文明開化期を彷彿とさせる古典的罰則によって、反則の数ももしかしたら減るかも。あとはアル・デイヴィスが咆えまくれば、勝てないけど面白いと思います。

えー、去年はジェットコースターのようなシーズンを味わったチャージャーズ。今年のテーマは「ネアンデルタールフットボール」だそうです。おいおい。戦力的にはWRボストンが加わりましたが、やはり核はトムリンソン。呼びにくい。FBニールの加入で、その走りもますます爆発。するでしょうか。とりあえず、ネアンデルタール云々言ってるショッテンハイマーは相当やばいと思うので、デポルティボのヂャウミーニャと一緒に要精神鑑定。

最後は、ブロンコス。壊れまくったシャンデリアをリースして、よくわからないプラマーを獲得。全く正反対のタイプなので、相当シャナハンはシャンデリアが気に食わなかったのか。安定感のなさは気がかりですが、スリリングなキャッチアップオフェンスが増えることは確実。酷寒のコロラドでは倒れる人が続出の見込みです。それでもポーティスを中心としたオフェンスに固いディフェンスと、バランスは取れています・・・と思いきや、DFコーディネーターのレイ・ローズをリース。大丈夫か。

1.チーフス アルの喉元を食い破れ。NFL1の狂犬チーム。
2.レイダーズ 結局今年も反則1位。無類のホットテンパー軍団に明日はあるか。
3.ブロンコス プラマーがフィットする頃にはシーズンエンド。
4.チャージャーズ 怒りのネアンデルタールフリットのセクシーフットボール以来の衝撃。でも勝てないよ。