(3)AFC南地区

1.INDコルツ (昨季14勝2敗→今季予想10勝6敗、地区優勝)

  • Last Season:開幕から得意のオフェンス以上にこれまでザルだったディフェンスが絶好調。13連勝でパーフェクト達成かと騒がれるものの、Week15でSDにやられて緊張の糸が切れてからは見事に失速。プレイオフ入ってもKマイク・ヴァンダージャットがサクッと外して第6シードのPIT相手に敗北、結局いつものレギュラシーズン番長ぶりを発揮しただけのシーズンでした。
  • Best:オフ最大の収穫は、このチームのレギュラシーズン番長ぶりの象徴であり、そのくせ文句だけはブツブツ言う反乱分子でもあったKヴァンダージャットを粛清、代わりに勝負強さの象徴、クラッチャーKアダム・ヴィナティエリをNEから手に入れたこと。どうせヴァンダージャット始末するならトリプレッツが揃ってる間にやっておけばいいものをと思わないではないですが。しかし、まだQBペイトン・マニングオーディブル考えすぎて頭ハゲ上がるまで猶予は若干ある、遅過ぎるということはない。チーム最大の穴が埋まり、悲願のスーパーボウル進出もいよいよ現実のものになるとかならないとか。
  • Worst:最大の穴は埋まったかもしれませんが、それ以外のところにボコボコと穴開いてしまったのが今オフ。何といってもRBエジェリン・ジェイムズが出奔。しかも、この現代最高クラスの万能型RBの穴埋めを、RBドミニク・ローズの内部昇格と新人で済ませようとか。DENじゃないんですから。ラン攻撃が壊滅=パス攻撃に偏る、というようなことになると、ますますQBマニングの独裁ぶりが進みそう。今でもOCトム・ムーアおじいちゃんが一生懸命考えて出したプレイーコールは、片っ端からマニングに握りつぶされてるわけですが。今季はいよいよ嫌になったムーアじいちゃんが、考えることを放棄してボケてしまい、サイドラインを徘徊し出す危険性があります。
     ディフェンスでは、ランストップの要だったDTラリー・トリプレットが移籍。トリプレット自体はそうスペシャルな選手というわけでもないですが、その穴をDEやってた選手のコンバートで乗り切ろうというのは、傷口を泥水で洗ってホチキスで止めるような大雑把な処置。そこから化膿して致命傷にならなければいいですが。
    • 主力の流出とそのおざなりな穴埋めで、どうにもアンバランスな戦力に。元々が攻撃に偏ったアンバランスなチームなんですが、その攻撃までもがRBエジェリンが抜けてアンバランスになってます。QBマニングのオーディブル気狂いっぷりは健在なのでプレイオフを逃すことはないと思いますが、このアンバランスさでは確実にどこかで派手にコケます。せっかくKヴィナティエリ取ってきたのに、勝負強さとか全く問題にならないような負け方をプレイオフ初戦でして終了とかそんな感じ。

2.JAXジャガーズ (昨季12勝4敗→今季予想9勝7敗)

  • Last Season:堅い守備、固い攻撃、柔らかいスケジュールで順調に白星を重ねて、INDには及ばなかったもののワイルドカードで久しぶりのプレイオフ進出。ただ、終盤を前にケガしてたのがギリギリプレイオフに戻ってきたQBバイロン・レフトウィッチとそれを好リリーフして連勝してたデヴィッド・ギャラードのQB問題で微妙な空気になってしまったこともあって、プレイオフ初戦であっさりNEに完敗。
  • Best:エースとして長いこと君臨してきたWRジミー・スミスが、プレイオフでQBレフトウィッチの剛速球をポロポロ落球したのがよほどショックだったか引退。これが良い方向に働いて、これまでスミスの影でいまいちパッとしなかったWRレジー・ウィリアムズ、マット・ジョーンズのドラ1長身WRコンビが台頭、レフトウィッチの豪腕が唸りまくるというのがベスト。昨季のプレイぶり見る限り、2人もポロポロ落としてくれそうでいまいち期待薄ですけど。それならまだ昨年のTBの"キャデラック"に続いて活躍しそうな名前の、今年のドラ1TEメルセデス・ルイスの方が期待できるかも。この選手もハズレなら、JAXのフロントはどれだけレシーバ見る目ないんだという話になります。とにかく誰でもいいから大型レシーバがブレイクして、ゴール前での決定力が向上すれば、守備は堅くてバランス取れた戦力だけにINDの首も狙えます。
  • Worst:レシーバどもが揃って木偶の坊だった場合。豪腕だけど小回りの利かないQBレフトウィッチも一緒に木偶の棒と化すことになります。その場合、残る攻撃のオプションは、能力は高いけど信頼性は低いRBフレッド・テイラーのみ。RBも後進が全然育ってませんので、テイラーが壊れたらもう何もなくなります。8シーズンで2回しかフル出場したことがないテイラーの健康にプレイオフを賭けるという、綱渡りなギャンブルを乗り越えられるか。綱渡りで落っこちた時は、いっそQBをレフトウィッチから走力のあるギャラードにチェンジするという手もありますが、目先の勝利のためにQBクルクル変えるのはドツボコースに突入する危険も。
    • この地区で打倒INDを期待できる唯一のチームとして、ここ2年シンデレラ候補に推してきましたが、どうにも突き抜けきれない。良い成績収めてても、QBレフトウィッチ、RBテイラーというオフェンスの主軸2人が、途中でケガしてしまって自然と失速してしまうのがネックです。規律はしっかりしててくだらない取りこぼしとかは少なそうなタイプなので、レギュラシーズンでは星をまとめてくるかもしれませんが、格上のチームには大人しくきっちり負けるタイプだと思います。

3.HOUテキサンズ (昨季2勝14敗→今季予想6勝10敗)

  • Last Season:前年が5割まであと一歩の7勝、創設4年目を迎えて「そろそろプレイオフも」なんて言ってたら2勝14敗と思いっきり地獄を見ました。攻撃30位、守備31位と夢も希望もない結果で、ドム・ケイパーズHC解任。新HCはDENのOCだったゲアリ・キュビアック。
  • Best:昨年もリーグダントツトップの68被サック、実にペイトン・マニングの4倍のサックを喰らうという、最高にマゾいことになっていたQBデヴィッド・カー。まずこのドSなOLたちを何とかしないと早々にカーはイっちゃうと見たか、強力OLを誇ったDENから来たケイパーズHCは、GBの名Cマイク・フラナガンの補強に、ドラフトでOL2人を指名とテコ入れ。これでカーの並み外れたマゾさが解消されるようなら、新人年からコンビを組んできたWRアンドレ・ジョンソンに、BUFのエースだったエリック・モウルズ、DENから付いてきたTEジェブ・プッツィアが加わって地味に豪華なことになっているレシーバ陣とのパス攻撃は結構楽しみあります。
     ディフェンスでは、今年のドラフト1巡1位DE"スーパー"マリオ・ウィリアムズ。ファンが望んでいたRBレジー・ブッシュを蹴ってまで指名したということで、星を手にしたヒゲの配管工ばりに相手を片っ端からなぎ倒してサック量産するくらいの活躍を期待。
  • Worst:エースRBドゥマニク・デイヴィスがヒザの故障で今季絶望という大アクシデント。開幕する前から「だからRBレジー・ブッシュ指名しときゃ良かったのに」とファンが思いっきり後悔するような事態に。代わりに先発務めるのは、今年のドラフト6巡170位ウォリ・ランディか、RB捨て場のDENから拾ったロン・デインか、どちらにしろラン攻撃はリーグ最低クラスに落ち込むこと必至。そうなると、相手ディフェンスとしてはパスに的を絞りやすくなるので、QBカーのマゾ度が更にアップして、とても放送できないようなことになってしまう可能性も。
    • WR、OLがいくらか強化されて、RBが弱体化。QBカーの肩に全てが掛かってきそうなシーズン。4年で200回以上のサックを浴びながら4試合しか休んでないというタフさ自慢のビックリ人間大賞としてではなく、チームリーダとして存在価値を証明できますか。「ヴィンス・ヤングかマット・ライナート指名しときゃ良かったのに」とかいう声が出てくるようだと、行く末はティム・カウチです。

4.TENタイタンズ (昨季4勝12敗→今季予想4勝12敗)

  • Last Season:前年にサラリーキャップの前に大往生を遂げたため、再建のシーズンに。攻撃17位、守備19位と数字はそれなりにまとめたものの、ここぞで頼れるような突出したタレントがおらず、10点差以内のゲームで1勝7敗と勝ちきれなかった。
  • Best:英雄QBスティーヴ・マクネアを放出、てっきり後をヴィリー・ヴォレックに任せるのかと思ったら、マクネアと同じ身体能力系のQBヴィンス・ヤングをドラフトで指名。今季はヴォレック先発で行くようですが、観客席から「どうせ負けるならヤング見せろ!」という声が聞こえてきそうな状況で、ヴォレックにとっては針の筵。そこで発奮したヴォレックがカーソン・パーマーが入ってきた時のジョン・キトナ並に、空気読まずにやたら頑張っちゃってヤングの出る幕なし、というのがベストシナリオですか。Cケヴィン・マワイ、WRデヴィッド・ギヴンズと渋い補強もしてますし、活躍してもおかしくはないです。まあ、その場合はヤングの育成が1年遅れることになるので、チームにとって本当にベストかは微妙なところですけど。RBの方も、一応クリス・ブラウンが引き続き先発だけど、ファンが期待してるのは新人レンデル・ホワイトの方という、似たような状況。ヴォレック&ブラウンの意地を期待するのか、さっさと見切ってヤング&ホワイトの育成に当てるのか、どちらにしろさっさと方針を決めた方が良いです。
  • Worst:最悪なのは、「どうせ俺なんて」と不貞腐れたヴォレックが飲んだくれてボロボロに、予定より早くQBヤングにスイッチしたけど経験不足からNFLの洗礼をモロに浴びてこちらもボコボコに、気付いたらなぜか第3QBのケリー・コリンズが投げてて目標失ったチームはバラバラに、というありがちなパターン。昨年のSFがハマってたやつです。ヴォレックがティム・ラテイとかぶります。新人QBが困ったときに縋れるような大物がRBにもWRにもいない現状で、民意に押されてヤングへのスイッチを急ぐようなことあると、このパターンにハマる可能性は高い。これにハマるとみんな不幸になるので気をつけてください。
    • ヴォレックかヤングか、と書いてきましたが、Week1、先発してるのコリンズなんですけど。ヤングもちょっと出たみたいだけど、ヴォレックは出番なし。一体なにが。ヴォレックが反乱でも起こしたんでしょうか。いきなりヤング出してるあたりに、やけっぱちなものを感じます。

1.INDコルツ(10-6)
2.JAXジャガーズ(9-7)
3.HOUテキサンズ(6-10)
4.TENタイタンズ(4-12)